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さまよう刃 東野圭吾

帯に書いてあった「2009年にもっとも売れた角川文庫」というフレーズを見て、読んでみることにした。以前「作者の作品は2005年の『容疑者xの献身』前後で随分趣が変わった」ということをこのブログでも書いたが、本書は2004年の作品なので、「容疑者‥」とほぼ同一時期に書かれたということになる。本書は、「容疑者‥」ほどの衝撃的な要素はないものの、作品の雰囲気は随分似ている気がした。話の進み方も、いろいろな場面が交互に進んでいく形式をとっているが、場面の変わり方が自然なので大変読みやすい。この読みやすさ、自然さが作者の大きな強みなのだと思う。期待したような最後のひねりはなかったが、年末休みのまったりとした時間に十分楽しめる作品だった。(「さまよう刃」東野圭吾、角川文庫)
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