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ビブリア古書堂の事件手帖 三上延

章ごとの区切りにイラストが入っていて、ややライトノベルのような雰囲気の本だが、書名が面白そうなので読んでみた。ライトノベルではないが、ミステリー重視というよりも物語を重んじた内容で、それはそれで面白かった。ただ、いろいろな職業や薀蓄とミステリーを融合させたような作品は、落語家、介護士、画家、鑑定士、学校の先生等等それこそ数限りなくある状況のなかで、そのなかの1つという域を越えたような斬新さが感じられなかったのは、やや残念だ。ある分野の話をミステリー仕立ての小説にする難しさは、その分野が好きな人には物足りなく思われてしまい、好きでない人には作者の熱意が届かないということになりがちな点だろう。本書もその陥穽にはまってしまっているように感じられた。(「ビブリア古書堂の事件手帖 三上延、メディアワークス文庫)

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