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歪笑小説 東野圭吾

作家デビュー・文学賞受賞・編集者との付き合い・小説家の収入等、小説家を取り巻く様々な事象を面白く伝える短編集。当代随一の人気作家によって書かれているというのがミソで、1つ1つの短編が、笑いあり、ペーソスありで、これから作家を目指す人への応援にも警告にもなっている。特に面白かったのが、出版社の人間が「文芸雑誌」の存在意義を巡って小学生にやり込められるエピソード。言われてみればそうだという、出版業界の仕組みが判ってためになった。著者の守備範囲の広さと器用さがよく判る作品でもあった。(「歪笑小説」 東野圭吾、集英社文庫)

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