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浜村渚の計算ノート2 青柳碧人

「数学テロ組織」がおこす凶悪な事件を、中学2年生の数学の天才少女が警察に協力しながら解決したり、未然に防いだりしていくという非常に奇抜な設定の本シリーズ。前作もそうだったが、数学の知識を駆使したバトルが意外に面白い。数学そのものだけでなく、数学者のエピソードなども上手く盛り込まれているし、ストーリー展開も全体に大変良く練られている。「数学テロ組織」が主人公に数学の知識でやりこまれると、彼らの数学に対する独特の美学のようなもので、すぐ観念してしまうのはご愛嬌。こうした設定でいくつもの話を構築できる作者をみていると、ライトノベルの分野というのはつくづく才能のある作家の宝庫なのだという感を強くする。(「浜村渚の計算ノート2」 青柳碧人、講談社文庫)

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