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謎とき平清盛 本郷和人

例年、その年の大河ドラマの関連本を2,3、冊読むようにしているが、今年はこれが最初の1冊である。数多くある関連本のうちのどれを選んだらよいのかいつも迷うし、読んでみて「はずれた」と思うこともしばしばだ。本書は、「はずれ」とまでは言わないが、かなり異色の本を選んでしまったというのが正直な感想。まずはドラマ「平清盛」を見るための基礎知識、様々な解釈のある歴史を公平に整理してくれる入門書のようなものをと思ったのだが、本書のスタンスはかなり変わっていて、そうしたことにはあまり役立たないし、著者の関心ももう少し高邁なところにあるようだ。著者は大河ドラマの「時代考証」をしている当事者とのことで、話は自然とその話が前面にでている。そのため、時代背景については詳細に書かれているが、平清盛個人について良く分かるようには書かれていない。ドラマ作成の裏話などは、それなりに面白いし貴重な話なのだろうが、TVドラマを見るための入門書という意味では難しすぎる気がした。(「謎とき平清盛」 本郷和人、文春新書)

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