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ローマ人に学ぶ 本村凌二

ローマに関する本はこれまでにいろいろ読んできたが、本書は、そうした類書とはかなり違ったアプローチで読者を引きつけてくれる。ここに書かれているのは、何故ローマ人が勇猛であったか、宗教観がどのようなものであったか、カエサルの登場がローマ人の心にどのような影響を与えたか、といったローマ人の心象風景である。それは、これまでの「ローマ人は芸術は苦手だったが建築に秀でていた」といった単純なローマ人に対する見方を大きく覆すものがある。本書を読んで、ローマに対する見方が立体的になるような気がしてくる良書だ。(「ローマ人に学ぶ」 本村凌二、集英社新書)

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