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永い言い訳 西川美和

2015年上半期の直木賞候補作として話題になった本だが、何となく読まずにいたら、本屋大賞の候補作に入っていたので読むことにした。これまでに読んだ書評では、妻を不慮の事故で失ったダメ男の繰り言という感じの話として紹介されていたような気がするが、実際に読んでみると、主人公の心の持ちようにはかなりの説得力があるし、心情的に共感出来るところが多いような気がする。周囲の人々が主人公の冷めた行動に対してとって付けたような解釈をしたり、当たり障りのない同情を見せることにイラつく主人公。周囲の人々と主人公のどちらに共感出来るかと言えば、私は断然後者の方だ。この小説をどう読むか、読者が試されているような気がする。(「永い言い訳」 西川美和、文藝春秋社)

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