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ローウェル骨董店の事件簿 椹野道流

カバーのデザインはライトノベル風で、題名は骨董屋を舞台にしたお仕事ミステリーという本書。骨董屋さんだから品物にまつわる色々な謎がありそうだし、そういった感じの内容かと思いながら読み始めた。舞台は20世紀初頭のイギリス・ロンドン、骨董屋の兄、第一次世界大戦で負傷兵となった検死官の弟、兄弟の友人であるスコットランドヤードの刑事というトリオが主人公だ。読み始めてみると、ライトノベルやお仕事ミステリーという手に取った時のイメージとはかけ離れた、中々骨のあるミステリーだった。主人公の兄弟とその幼馴染という3人の人物が非常に生き生きと描かれているし、そのほかの脇役の造造形も面白い。兄弟の兄が養子として引き取った日本人を母親に持つ少年の話など、これから色々な展開がありそうで、続編を期待したい。(「ローウェル骨董店の事件簿」 椹野道流、角川文庫)

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