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これは経費で落ちません 青木祐子

題名や装丁などから典型的なお仕事小説だろなぁと思いながら読んだのだが、想像以上に緩い感じの小説だった。主人公が仕事に関する薀蓄を披露することもあまりないし、そもそもほとんど事件らしい事件も起きず、ただ普通のOLが普通の日常の仕事をこなしている様が一人称で語られているという印象だ。日本中の会社員の大半がこうした日常を送っているのだから、読んでいて共感度も高いだろう。また、毒のある話も皆無なので、ゆるキャラを愛でるように安心して楽しめる。ある意味、こういう小説もありなんだと読んでみて気づくという、かなり意表を突いた作品に思われた。(「これは経費で落ちません」 青木祐子、集英社文庫)

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