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万能鑑定士Qの最終巻 松岡圭祐
著者の本が角川文庫ではなく講談社文庫から刊行されるようになってしばらく経つが、「万能鑑定士Q」シリーズの最新刊が講談社文庫から出ていたのでびっくりした。シリーズによって出版社を変えているのかと思ったらそうではないらしい。出版社と著者の間に何があったのかはうかがいしれないが、刊行すれば大きな部数が確実に期待できる超人気作家だけに、何があったのか少し心配になる。読者にとってはどこの出版社から刊行されようと通常は大きな問題はないが、著者の場合は、出版社が変わったのとほぼ時期を同じくして、少し作風が変わってきている感じがする。本書もそうだし、講談社文庫から刊行が開始された「探偵の探偵」「水鏡推理」シリーズなどもそうだが、文章がこれまでの軽い感じのものから少し重厚なものになっている気がする。作者自身の変化なのか、担当者が変わったことによる変化なのか、題材の違いから作者があえてそうしている変化なのか、真相はよく判らないが、個人的には以前のような軽い文章の方がいかにも作者の本を読んでいる感じがして懐かしく思える。いずれにしても、ずっと読み続けてきたシリーズの最終話ということだが、話の内容は予定調和的でまあそんなところだろうなという感じで、それよりも本書が前の出版社へのお別れの一冊という要素もあるような気がして、読んでいてそちらの方が気になってしまった。(「万能鑑定士Qの最終巻」 松岡圭祐、講談社文庫)
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