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ミャンマーもつれた時の輪 的場博之

「ミャンマー」というキーワードで検索してネットで注文したのだが、エッセイ集と写真集の中間のような1冊だった。写真集というものを積極的に買ったことがないので、おそらく店頭でみかけても購入することはなかっただろう。エッセイの部分は、政権交代前のミャンマーの各地を訪れた紀行文で、最近のミャンマーの情勢が大きく変化する前の文章であることを何度も強調しているが、そこに書かれているのは短期間で陳腐化するようなものではなく、今のミャンマーであるといっても全く問題ないような内容だ。現地にいって体験していることはそれほど稀有な体験とかリスク犯した内容という訳ではないが、訪問した地域そのものがかなり稀有でありリスクを伴っていると感じる。言ってみれば、あまり何か新しい体験をしてやろうという気負いを持たず、とにかく行ってみて普通に周りを見回してみて、というそのスタンスが結構すごいなぁと思う。文章に書かれた景色や人物と写真がリンクしていないのが、少しもどかしいが、やはり専門家の撮った写真は一枚の写真とは思えないような情報が詰まっているようで、さすがだなぁと感じた。(「ミャンマーもつれた時の輪」  的場博之、イカロス出版)

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