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オンライン講義 天文学15

今回は「天文学的にみた気象現象」というテーマで、太陽系の地球型惑星(地球、火星、金星)の大気の流れについて解説してもらった。地球はともかく、火星や金星の地表でどのような風が吹いているのかなど考えたこともなかったので、色々新鮮な驚きがあって楽しかった。まず、太陽から受け取るエネルギーの差によって生じる海風陸風といった対流圏での水平対流、オゾンが太陽からの紫外線を吸収して加熱されることによる成層圏での温度上昇、コリオリの力による回転面との角度の違いによる風向きの変化などを基礎知識として学んだ後、地球型惑星における大気の流れの解説。まず地球では水平対流によるハドレー循環と極循環、コリオリの力によって水平対流とは逆向きのフェレル循環の3つの大きな渦巻きの流れがありそれが貿易風や偏西風と呼ばれるものにあたる。次に火星は地球の対流圏と成層圏が一緒になったような形で大きな循環がひとつだけある。一方、金星の地表では金星の自転速度(秒速1m/s、243日で一周というスローな自転)をはるかに上回る秒速100m/sという「スーパーローテーション」と呼ばれる猛烈な強風が西から東に向かって吹いているとのこと。なぜそのような強風が吹いているのか長年謎だったが、2020年ついにその謎が解明された。理屈の詳細はよく分からなかったが、最新の観測衛星の観測結果から赤道から極に向かう熱と角運動量、昼の部分から夜の部分に流れる熱と角運動量の4つで説明ができるようになったということだった。今回の気象についての話も宇宙論の難しさとは違った難しさがあったが、金星のスーパーローテーションという言葉を覚えただけでも聞いて良かったと思えた。
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