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どうしても頑張れない人たち 宮口幸治

去年読んだベストセラー「ケーキの切れない非行少年たち」の続編。前作は非行少年たちの非行行動と彼らの認知能力の関係性を指摘した内容だったが、今作は彼らとどう接したりどう支援していけば良いかというより実践的な問題を扱っている。彼らは「怠けて頑張らない」のではなく「頑張れない」「頑張る方法が分からない」のであり、彼らへの対処として「頑張れば報われる」と励ますのは支援にならないし、「頑張らなくていい」という言葉も彼らには届かない恐れがある、そうした認識をしっかり頭に入れた上で個別のケース毎に対応を考えるしかないということだろう。自分を含めて多くの人にはそうした支援が必要な人が近くにはいないし関わらないようにしようと思えばそうできてしまうのだが、「支援したいと思えないような人ほど本当は支援が必要」という著者の考えには心を打たれた。(「どうしても頑張れない人たち」 宮口幸治、新潮新書)
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