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朝霧 北村薫

何冊か出ているシリーズものの一冊だが読むのは2冊目。文学評論、俳句、古典落語などの薀蓄をちりばめながら日常のちょっとした謎を解くというスタイルは前に読んだのと同じだ。自分は、文学評論については大学受験以降そうした本をほとんど読んだことがないので全くの無知。俳句は短すぎて色々注釈がないと何を言いたいのかよく分からないので興味なし。落語は好きだが、古典落語は同じ話を何度も聞いて落語家による微妙に演じ方の違いを云々するだけというのは退屈でどうせなら毎回違う話が聞ける新作落語を聞きたい。奇しくも自分の苦手分野3つが揃ったような内容だったが、謎解き部分は素直に楽しむことができた。特に表題作の暗号解読は、これまでこうした発想がなく本作が完全オリジナルだとすると結構すごい大発見のように思えた。「朝霧」 北村薫、創元推理文庫)
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