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ディズニーキャストざわざわ日記 笠原一郎

三五館シンシャの「◯◯日記シリーズ」の5冊目。このシリーズは色々な職業の舞台裏や体験談を赤裸々に吐露するというものだが、これまでの4冊はいずれも実際に勤めていた会社の実名は伏せられていて、特定の会社のブラックさを暴くというよりは、職業特有の苦労話を面白く読めるというものだった。本書は、東京ディズニーランドの清掃スタッフだった著者による夢の国の裏話なので、読む前から、もしかしたら宣伝文句のような建前ではなくブラックさを暴く告発的な話が聞けるかもという期待と、企業名が特定されてしまっているのであまり過激な暴露話はできないだろうという不安が交錯する。実際に読んでみると、その辺りはちゃんと上手に良いところと悪いところが公平に書かれていて、裏話に関しても「ミッキーマウスの中には人が入っている」というのが秘密の暴露にあたると腹をたてる人もいないだろうという感じで何となく気持ちよく読むことができるように配慮されていた。ただし、夢の国、魔法の国というコンセプトを重視するあまり職場環境がブラックになっては本末転倒という著者の考えはちゃんと伝わってきた。(「ディズニーキャストざわざわ日記」 笠原一郎、三五館シンシャ)
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