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早朝始発の殺風景 青崎有

書評誌にミステリー新時代の代表として取り上げられていた著者による登場人物の会話を中心に話が進む日常の謎を巡るミステリー短編集。皆小編という感じの短さだが、短い記述の至る所に伏線があり、しかも話自体がとても面白い内容で、これまでに読んだ著者の作品の中でも文句なく一番の楽しさだった。特に公園に捨てられていた子猫を巡る兄妹の話、最終話の卒業式に休んだ級友の家を訪ねる話の2編は何気ない会話から意外な景色が立ち昇り、グサリと心に刺さる印象に残る作品だった。(「早朝始発の殺風景」 青崎有吾、集英社文庫)
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