書評、その他
Future Watch 書評、その他
メモリークエスト 高野秀行
「本の雑誌」に短期連載されていた「名前変更物語」が大変面白かったので、急にまた著者の本を読みたくなった。著者の本はいくつか読んでいるが、読んでいない本もまだ多い。最近「放っておいても明日は来る」「メモリー…」と著者の本が2冊刊行されたというので、とりあえずこちらから読むことにした。
本書は、誰かが「もう一度会いたいがたぶん探すのは無理」と思っている人を著者が代わりに探しにいくという趣向のルポ。当然探しにいく先は「辺境地域」「危険地帯」で、探したい人の情報も「こんな情報だけで探せるのか」と思うほど少なく不確かだ。筋書きのない探索にもかかわらず、どうしてこんなに次から次へと面白い話になるのだろうと感心しているうちに、ほとんど無理と思われる探索をどんどん解決していってしまう。これこそ著者にしかできない作業だなあと感心してしまう一方、世の中とは案外そういうものかもしれないなぁと妙に楽天的な気分にしてくれる。(「メモリー・クエスト」高野秀行、幻冬舎)
本書は、誰かが「もう一度会いたいがたぶん探すのは無理」と思っている人を著者が代わりに探しにいくという趣向のルポ。当然探しにいく先は「辺境地域」「危険地帯」で、探したい人の情報も「こんな情報だけで探せるのか」と思うほど少なく不確かだ。筋書きのない探索にもかかわらず、どうしてこんなに次から次へと面白い話になるのだろうと感心しているうちに、ほとんど無理と思われる探索をどんどん解決していってしまう。これこそ著者にしかできない作業だなあと感心してしまう一方、世の中とは案外そういうものかもしれないなぁと妙に楽天的な気分にしてくれる。(「メモリー・クエスト」高野秀行、幻冬舎)
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ドントレル・ウィリス ユニフォーム MLB
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号泣する準備はできていた 江國香織
かなり前に読もうと思っていたがこれまでなかなか読めなかった本書。ようやく手にとってみた。登場人物の生活の断面を切り取ったような短編が並んでいる。表面的になにげない日常の風景の裏に少し緊迫した状況が隠されているという設定の話が多いが、いずれもそれほど特殊なものではなく、このくらいの状況はどこにでもあるだろうという範囲のものだ。登場人物の心理や思いが的確な文章でつづられているのをみると、自分でもうまく説明できない病状にお医者さんがそれらしい病名をつけてくれてほっとする、そんな感じを受ける小説だ。主に女性の立場から描かれており、よく判らない部分があるので、あまりこうした物ばかり読む気にはなれないが、読んだ後に自分に何が残るかをしばし考え込むような小説も時々は良いだろうという気がした。(「号泣する準備はできていた」江國香織、新潮文庫)
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製鉄天使 桜庭一樹
本屋で作者の新刊を見つけた時は嬉しい。2,3日前には本屋さんに並んでいなかったから、刊行されてからそれほど経ってはいないはず。こういう時が最も嬉しい。ちょうど自分になじみのない分野のやや難解な本を何冊か読んだ後だったので、なおさら嬉しい感じがしたのかもしれない。そういえば最近作者の読書日記(WEB版)を読んでいなかったなぁと思い、最近のところを見たら、「本書」の校正が終わったというような事がちゃんと書かれていた。
本書は「赤朽葉家…」のスピンオフ作品だという。単純なスピンオフではなく、前作の作中人物が書いた漫画のノベライズということらしい。そういえば、どこかで「赤朽葉家…」のスピンオフ作品のことが書かれていたようにも思う。作者の「読書日記」だったかもしれない。
読み進めると、久しぶりに読書を楽しんでいるなぁという気分になってくる。これまでの作品と作中に流れている空気は同じような気がするが、その破天荒さは半端ではない。漫画のノベライズという複雑な設定は、こうした破天荒さと関係があるのかも知れない。作者自身が身を切るような犠牲を払うという切迫感はやや陰を潜めているが、「子供から大人へ」というモチーフは今まで通りだし、その文体もさらに磨きがかかってきたような気がする。(「製鉄天使」桜庭一樹、東京創元社)
本書は「赤朽葉家…」のスピンオフ作品だという。単純なスピンオフではなく、前作の作中人物が書いた漫画のノベライズということらしい。そういえば、どこかで「赤朽葉家…」のスピンオフ作品のことが書かれていたようにも思う。作者の「読書日記」だったかもしれない。
読み進めると、久しぶりに読書を楽しんでいるなぁという気分になってくる。これまでの作品と作中に流れている空気は同じような気がするが、その破天荒さは半端ではない。漫画のノベライズという複雑な設定は、こうした破天荒さと関係があるのかも知れない。作者自身が身を切るような犠牲を払うという切迫感はやや陰を潜めているが、「子供から大人へ」というモチーフは今まで通りだし、その文体もさらに磨きがかかってきたような気がする。(「製鉄天使」桜庭一樹、東京創元社)
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マリア・シャラポア ユニフォーム テニス
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マイク・ウィア シャツ GOLF
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銀行と同和 森功
本書を読みながら「この本をどう読めば良いのか」を考えた。糾弾する側にもされる側にも立つことができない。少なくとも私には本書は「銀行糾弾」の本ではなかったし、「差別問題」への理解を広げる本でもなかった。ただ私が経験として知っている「バブル」、そしておそらく次の世代が話でしか知らない「バブル」という時代がどういう時代であったかが、本書には克明に描かれていた。バブルをリードしたのは我々よりも少し世代の古い団塊の世代であったのかもしれないが、その総括を団塊の世代のみに押し付けてよいものか、そんなことを考えさせられた。(「銀行と」森功、講談社)
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