そういえば、小泉純一郎は「自民党ぶっ壊す!」と云って、自民党員選挙で総裁に当選をした。
結果としては、彼は自民党の清和会以外の宏池会や旧田中派系を壊そうとしただけだった。
あの時に、本来の懐の深い、右から左まで複合した、国民政党と云われた「自由民主党」は、岸、福田をルーツとする「清和会系自民党」に変貌していたのだ。
まさか、国葬をやって安倍氏を神格化して宗教政党にでもなろうとしているのか?
別に国葬やっても構わないけど、現状の政治の安っぽさは変わらない。それでも、きっと何か壊れる、何か歪んでくるような気がする。
それに、岸田首相にしてはあまり早い決断だった。彼一人で決めた訳ではあるまい。
多分、麻生か茂木の「国葬でなければ、安倍派が収まらない」とかの入れ知恵か、或いは、統一教会に関わる自民党議員があまりに多く、お清めの意味で国葬を求めているとしか見えない。
下手をすると、これで岸田政権が潰れて自民党政権の屋台骨がぐらつくことに成りやしないか。
兎も角、永田町が余震で揺れている。善悪や功罪は一旦横において、安倍さんというヒトは、自民党という世界の「唯一の権力者」だったのかなという感がする。
この際、安倍氏の逝去を機に、自民党はもう一度その在り方を考えた方がよいと思う。
五・一五事件、この時の犬養毅首相は党葬だった。葬儀委員長は高橋是清。せめて国葬に準ずる式にしておけば、…。
それから4年後、二・二六事件で高橋蔵相も暗殺された。戦前の暗い時代だ。戦後レジームからの脱却ではなく、「戦前への回帰」にならないように願っている。