民主党政権時代の野党自民党は攻撃力、破壊力のあった強い野党だった。
あの立派な自民党本部の建物には、従来はミニ国会委員会のように、各省のキャリアの課長補佐が日参して議員の要望を聞きながら政策作りをしていた。
ところが、一旦野党に落ちたと同時に各省から来るのはノン・キャリの係長になったと嘆いていた自民党議員は、少しは反省して清廉な政党を目指すだろうと期待した。
結果は、戦前に回帰したような憲法草案を造り、単に数の力だけを頼む官僚と結託した国家権力だけを使う政党に生まれ変わってしまった。
政権奪還後は、政党に献金をする業界、業種を優遇し、権力者の犬となって天下りの為に働く官僚を極端に優遇する歪な権力政治態勢となった。これは体制にもならないだろう、単に腐敗の傾向である。
ネットでテレビ中継を見ていたら、菅野(山尾)志桜里氏が出て来て、今回の選挙を「野党探し」と総括した。一瞬の違和感を感じたが、結果彼女の云う通りであった。
立民党の実際の支持は、世論調査の通りで僅か数パーセントである。単に反自民の票が選挙の時だけタナボタ式に流れてくる仕組みに安住して、立民党は何の努力もしなかった。
今は、その一定の反自民の票が、取り敢えず維新に、新しく参政党に流れているだけだろう。
この国は骨の髄まで自民党の國である。選挙に行くことは自民党に入れることだという風になっているようだ。
今の国債乱発による紙幣の増刷の仕組みが破綻していく運命にある。この國の破滅的な経済を根本から変えるエネルギー政策、食糧政策、教育政策、少子化政策を作った新野党の出現が急務である。
湘南の地に引っ越して三十年、だが、これを故郷とは思わない。まだ、東京の原風景が残っている。