著者は細川護熙、この本のタイトルは論語の「内に自らを訟(せ)むる」からとったそうだ。
八党(会)派をまとめていくには、貴種の権威が必要だったのだろう。彼は近衛の血も受けていた筈だ。
当時、ムーミン・パパの愛称で、さきがけの武村官房長官が好人物の印象があったが、社会党の村山氏と次の「自社さ政権」を画策して、足を引っ張っていたとは、人は見かけによらぬものだ。
偶々首相の在職年数を調べていたら、細川政権は263日だった。ひっくり返した村山富市政権が561日も続いたのには驚いた。
小沢一郎は事前に辞任を告白された時の感想を「総理の座にしがみつく人が多い中、細川さんはあっさりしてるね。やっぱり殿様だから」と言った。どこぞの誰かに聞かせたい。
我々庶民はマスコミの騒ぐままに、辞任は「佐川急便との金の貸し借り」という理由だと思った。
この本を読んで、権力に恋々としない独りの人間を、寄ってたかって、小さな権力や地位を守るために引きずり落したのことがよくわかった。村山富市の白い眉毛は欲の剛毛であったのかも。
小人たちの争いによって、また自民党が復活する訳だが。この党は復活する度に、更に邪悪な利権集団に脱皮するのは、結局は国益を損なうことになるのではないか。今、既に、その兆候が出て、…。