キキ便り

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International Facultyの悩み

2008-02-04 09:37:00 | アメリカの大学で教える

Rate your professorなどのページでは、アメリカの大学教員一人ひとりの学生による評価が一覧できるようになっています。ざっと見てみると、やはりアメリカに移り住んだInternational facultyへの評価は全般的に低いような印象を受けます。もちろん、そういう評価の妥当性も怪しいものだし、そのまま受け取るわけにはいかないと思うんですけど。。。

ただ、読んでいくうちにInternational Facultyへの評価で共通しているように思ったのは、何を話しているのかわからない(アクセントや英語の明瞭さの問題)、Powerpointの棒読み授業といいうことです。

前者については、私も苦労していることなので、努力して少しでも改善するしかありませんよね。そして学生も、いろいろな国の人の英語の発音になれることも必要です。たとえば、最近ではカスタマーサービスなどに電話すると、インド人やヒスパニックの人が応対に出る場合が増えてきました。そういう人たちは、一生懸命コミュニケーションを取ろうとしている場合が多いので、親切に対応してくれるような気がします。同じ移民として嬉しいことです。

後者については、英語の不明瞭さを補うあまりPowerpointに頼りすぎで、授業が平坦に終わってしまう、という危険性です。これは、私もついやってしまうことです。そして学生は、PowerpointのスライドをあとからBlackboardなどでダウンロードすればいいんだから、と授業に来なくなってしまいます。スライドにあまりにも沢山の情報を載せすぎると、授業を聞かなくなってしまうことも起こりうるのです。

それを避けるために、今やっているのは、これです。授業を教える時は、自分のパソコンの前に立ったままじゃなくて、教室の中を少しでも移動しながら、学生に語りかけるということです。英語が母国語でなく、これをやるのはかなり準備が必要です。まずしゃべる内容をある程度頭に入れておかなければなりません。

毎回こんな風に授業を出来ることは、少ないのですが、1回の授業のうち5分でもそういうかたちで授業内容を伝達できることを今、目標にしています。

 

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アメリカの育児ばとる -ばあば世代とどこが違う?その1

2008-02-04 09:06:38 | 博士課程で学んで

今、博士論文の中で、育児の国際比較研究を育児雑誌や育児ネットの掲示板を分析して行っています。

時々おもしろい記事に出会い、思わずブログに紹介したくなってしまいます。今回は、育児方法の世代間の違いについて取り上げたアメリカの育児雑誌 American Babyの記事からです。

ばあばの娘への文句 トップ5

  1. 子どもの面倒見てあげたいんだけど、あんまり期待しすぎないでね。
  2. 私は馬鹿じゃないわよ。おむつの替え方くらい知っているわよ。
  3. 私が遊びにきた時くらい、テレビ消してよね。
  4. 私に、子どものしつけ押し付けないでね。
  5. 子どもをあまやかしすぎ、って批判されるのが嫌なの。

かなり、日本とも共通していますよね。特に、祖父母が子どもをつい甘やかしてしまう、っていう点は、国境を越えてどこでも見られるんでしょうね。

コミュニケーションの誤解も目につきます。

もしばあばが「6週間で離乳食を食べさせてたわよ」と言うと、娘は「うちのママったらなんにも分かってないんだから」と思うが、ばあばの意図は「時代は変わったわね」。

もしばあばが「あなたはもっと育てやすかったわよ」というと、娘は「もっとしつけをちゃんとすると、育てやすくなるわよ」というメッセージとして受け止めるが、ばあばの意図は、「ただ昔を思い出していただけなのに」。

お互いの言葉や行為に、ぐさっと傷つきあってしまうのは、どこでも見られるんですね。そういう母親のジレンマは、アメリカの育児サイトの掲示板にも、「うちのばあばは、おむつなんか簡単に外れたわよ、ってプレッシャーをかけてくるんだけど。私もちゃんとやってるのに」という風に、育児仲間の共感を求めて投稿されているんです。

こう考えると、育児サポートというのは量ではなく、質の問題。また当人がサポートとして受け止めているのかプレッシャーとして受け止めているのか、によって違ってきますよね。

育児をめぐる問題は奥深くて、オモシロイです。

 

コメント (4)
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