キキ便り

アメリカ便り、教員・研究者生活、シンプルライフ、自閉症児子育てなど

来学期の授業

2008-02-06 03:37:04 | アメリカの大学で教える

今秋教える学科目が決まりました。「家族の多様性」「少年期の発達と学童プログラム」です。どちらも専門と外れているので不安です。

特に、「家族の多様性」は、文化や民族による家族関係の違い、離婚や再婚家庭、養子縁組、里親、ホモセクシャルの家族などについて取り上げるのですが、人間の価値観が絡んでくるため、難しそう~。特に自分の主張や立場を表に出さず、politically correctなデーターを提唱していかなければならないというジレンマがあります。 そして様々な背景や主張を持つ学生が授業を受講してくるので、その立場に配慮しながら、授業をどう展開していくかという難しさもあります。

以前、同じ院生のアフリカ系アメリカ人が、授業でリーディングとして読まなきゃいけない研究は、全て人種差別のフィルターを通していると非難していました。できるだけ中立的なリーディングを探さなきゃいけないという気苦労もあります。しかし逆にマイノリティを擁護しすぎる教材(テキスト、論文、リポート)にも抵抗を感じてしまいます。

大学というアカデミアでは、基本的にリベラルな考え方が求められています。しかし、どんなことにでもオープンマインドの立場をとっていくと、本当に大切な価値観などが失われてしまうんではないでしょうか??読書好きなオットいわく、オープンマインド=深く考えないで何でも受けいれてしまう、だそうです。極端な解釈ですけど。。。人間、ある程度柔軟な考え方は必要だと思うのですが、枠のない柔軟な考え方は危険な気がしています。そういうことを、学生と一緒に学んでいくんでしょうけど、自分の器を考えると、要求水準が高すぎてこわいです~!!

 

学科長に、自分の専門外じゃないから教えるのは自信がないと訴えてみたのですが、今のところ、その科目しか空きがないらしいんです。。。そして私の豊かな異文化体験や比較文化研究をぜひ生かして教えて欲しいと丸め込まれてしまいました。。。

「少年期の発達と学童プログラム」の方が楽しそうです。。。。

コメント
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