昨日は久しぶりにレンタルビデオを視聴。選んだのは、自閉症者テンプル・グランティンの自伝をもとに製作された映画「Temple Grandin」
私は彼女の講演を生で一度、そしてDVDで一度聞かせてもらったことがあるが、それ以前の彼女の生涯が分かりやすく描かれていて、とても興味深い映画だった。
服装や立ち振る舞いなどは、本人とかなりイメージがだぶったし、本当に努力家で前向きな人なのだと改めて尊敬。その背後には、母親の涙ながらの苦労があったのだということが、この映画でよく理解できた。その頃はあまり世の中に知られていなかった自閉症(しかも母親の関わり方が原因という説が通っていた時代)の娘を施設に入れず、自宅で辛抱強く教育し続け、またなるべく社会に出て人と触れ合う経験を積み重ねるように、背後で支えていたこの人の力あってこそ、今日のテンプル・グランティンが存在するのではないだろうか。
ところどころ息子の姿と重なり、夫と二人で涙が止まらない場面もあった。社会的なスキルの欠如のために、本人が抱える葛藤や孤独、挫折感などがうまく描かれ、ぜひたくさんの人たちにみて欲しいビデオ。
息子は嫌がって映画を見なかったが(自分のぎこちなさを見せられるみたいでつらかったのだろう)、娘は最後まで視聴する。兄を理解する手がかりにもなったようだが、「今度から私もう牛肉を食べないから。でもチーズバーガー美味しいのよね」と、食用のために殺される牛のことが印象に残ったようだった。