キキ便り

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自閉症者の高校生活と親の役割

2011-10-10 10:45:53 | 自閉症アメリカ教育事情

 

息子の高校生活が始まったとたんに、私たちの自由時間は大幅に減少する。

息子のマーチングバンド練習のための送迎。

週1回の割合で行われる高校対抗のフットボール試合で演技する息子のバンドの観戦。

土曜日に行われるコンテスト。

マーチングバンドだけではない。

主要4教科PreAP Classを受講している息子は宿題、プロジェクト、小テストに追われる毎日。

自閉症ゆえにパニックになりがちなことと、整理整頓する能力や文字を書くことが苦手な息子が人並みにノルマを果たすために、家庭教師的な役割を果たすことが必要になってきた。

ます家に帰ってきてから、やらなければならないことをリストアップさせる。それだけでも、息子には時間がかかる。なかなか思いだせないらしい。どこかにメモをとっておけばいいのだが、そのメモを探すのにも一苦労。宿題のプリントもみつからないことがある。案の定、息子のバックパックの中は、くちゃくちゃになった紙だらけ。もっときちんと整理してプリントを片付ければいいのだが、その能力に欠けているのか、やる気の問題なのか。他の自閉症児はどうなのだろう。

そして、どれを先にやらなければならないか優先順位を決めるのにも大喧嘩。一番時間がかかる宿題を先にやらせると、他の宿題が夜の10時になってもまだたくさん残っていることが過去に頻繁にあったため、すぐ終わる宿題からまず処理させることにする。1つずつリストを消させていく。

時にはタイマーを使う。これは自閉症児の親訓練で教わった手法だが、行動管理するのには、ビジュアルで具体的な道具が役立つ。息子は、ほうっておくと、インターネットで時間をつぶしてしまうので、タイマーを使用し、「30分のうちに、このプリントをやりなさい」、といった方が方向づけしやすい。

動機付けのために、報酬も取り入れる。「2つ宿題を終えたら、20分自由時間」、という風にすると、息子のやる気もでやすい。

こういう風に行動主義に基づきながら、あれこれと試行錯誤し、息子の勉強の手助けすることになる。娘は宿題がどれだけあっても、数学以外は、自分で適当にこなしているようなので、やはり自閉症者に必要な家庭での援助なのかもしれない。

こういう生活が続き、私の睡眠時間がますます減少する。来年くらいになれば、ひとりでできることも増えるのではないかと期待する。

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