キキ便り

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自閉症児の宿題管理と親の悩み

2011-10-20 13:36:06 | 自閉症アメリカ教育事情

高機能自閉症児の高校生活。

毎晩夕食後から就寝まで、3-4時間かけて、息子の宿題を1つずつ手伝う。

数学の「幾何学」は、中学や高校にやったきりなので、私もテキストを見ながら勉強のし直し。たとえば、三角形の3つの辺の長さから、この3角形は直角、鋭角、鈍角かという初歩的なものから、The Hinge Thoremsの方式を使った問題など。まず英語の数学用語の意味を全然理解していないので、ネットで一つずつ調べる。

アメリカの学校は、プロジェクトの宿題が多い。最近出された課題として、印象に残ったのは、世界地理の授業の「地理関係の単語150語のブックレットづくり」。単語は、文化的収束、君主政権、マイノリティーなどとかなり複雑で、その意味を自分の言葉で表現し、リストにするというもの。さらにそのうち30語は、イラストで意味を表現するというものだが、抽象的で絵にしにくいものも多い。例をあげると、「平均寿命」という言葉。赤ちゃんと老人の絵を描くだけでなく、それに「平均」という意味をもたらすには、そういう絵にしたらいいのだろう。

日本語の宿題は、カタカナの練習とクイズ。カタカナの西洋語を英語に直すというものだが、これは面白いらしい。カフェテリア、ピンポン、スケートボードなど、1つずつ読みながら、息子は嬉しそう。今度、日本に里帰りした時には、お店で読める日本語が増えるので、きっと楽しいだろう。

それにしても、息子は字が雑で読めない。何度も消しゴムで消させて、書き直させるのも私の仕事。1つ書いては、また次の文字を直させる。食卓の上は消しゴムのかすだらけ。。。地理の先生は、とうとう息子だけレポートを手書きではなくタイプして出してくださいという特別指示を出したようだが、他の先生たちは苦労して読んでくださっているらしい。

反面、息子の日本語の文字はきれいで読みやすい。高校生の今、手や指の筋肉が発達した段階で習得した文字はきれいに書けるが、幼少期にまだ筋肉が弱い時(自閉症の影響あり)、習得した文字は自己流で、癖がなおりにくい様子。どうしたらいいのだろうかと心配する。

このような毎日を送りながら、私の仕事はだんだん停滞する。フルタイムの仕事をしていたら、とても息子の宿題を見て上げられなかっただろう。そう思うと、全てが神様のおぼしめしだったのかもしれない。

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