まさに2020年は宝塚歌劇にとって激動の1年だったと言えるでしょう。
思えば、今年の始まりは宙組の「イルハポン」でした。
大野先生らしい作品でした。藤井大介のショーはいつも通りのパクリ系。
自分の作品をパクるんだから・・・とかなんとか言って、次の月組公演「出島」を見たのでした。
本当は2回見る予定だったのに、1回目で突如終わってしまいました。
我が家の姫は大劇場で星組を見てきて、東京公演も楽しみにしておりました。
突如の緊急事態宣言の為、みんな家の中に閉じ込められることに。
目に見えない恐怖におびえました。
耐えがたかったのは、エンターティメント部門が軒並み公演出来なくなり、歌う事も踊る事も楽器を使う事すら禁じられてしまった事です。
これは演劇やエンターティメントに携わる人々にとっては「全否定」さえれるに等しく、補償もなく、突如仕事を失った人の何と多かったことか。
宝塚歌劇も柚香光のお披露目公演「はいからさんが通る」が公演延期となり、東京に来ていた雪組も突如中止。千秋楽をスカイステージで生配信するという、前代未聞で画期的な手段に訴えました。
スカイステージは新しい公演もなく、生徒を集めるわけにもいかず、再放送を繰り返し、スカイステージコールをまとめて流したり、色々な形での放送が続きました。
その後、スケジュールは大幅に変わり、月組公演「ピガール交響曲」が年越しをするという珍しい現象に。
大劇場ではせっかく再開した花組が僅かな期間でコロナの陽性者を出してしまったが為に再び中止になったり、星組も同様だったり。ファンクラブも歌劇団も払い戻しの手続きで大変だったろうなと思います。
そのうち、少しづつ観客数を増やしながら公演を重ね、さらに動画配信を始め、家にいながら生の公演を見ることが出来るようになりました。
大劇場と東京では出演人数が違い、演出上でも寂しいなと思う事が多く、ちょっと前までの華やかな宝塚を早く見たいという気持ちは今もあります。
生徒達も、自粛中に太ったなと思ったらすぐに痩せて「さすがだなあ」と思ったり、お茶会や入り出が出来なくなったファンクラブがあの手この手でファンを逃すまいと必死の努力をしています。
一番問題と思われるのが「新人公演」を奪われた生徒達です。
「新人公演」は研究科7年までの生徒による完全再現。
ここで大きな役がつけば次につながりますし、顔を覚えられにくい下級生が頑張るところなのに、それがなくなってしまった。
初舞台生も2ヶ月以上遅れての舞台。その後は早々に組配属されたものの、A組B組に分かれて半分しか出演出来ません。
日比谷シャンテ下のキャトルレーヴは朝から並んで整理券を貰い、商品を選ぶ時間は20分。大劇場横のキャトルは観劇した人でないと入れません。
元々スペースが狭いのに、こんな状況に陥ってさらに「密」を感じることがあります。
劇場内では公演ドリンクの販売がなくなり、休憩時間が延びてゆっくりトイレに行ってねの配慮。退場も規制されているんですけど、やっぱり幕が下がった瞬間に最前列からだだだーーっと走る人多数。
検温に消毒・・・そういうのは今後も暫く続くだろうしキャトルの整理券も慣れたけど、やっぱり今後の都市計画の中で効率的に建物を建てる事よりも、風通しとか広さをもっととると言ったような工夫が必要なのでは?
そりゃ狭い場所に沢山の店がひしめきあえばそれだけ建物自体の利益も上がるだろうけど、それではいつまでも東京は危ないと言われてしまいます。
利益ほどほどで融通が利く建物にしてほしい。
本題からそれましたが、コロナ禍で何度も「はいからさんが通る」や「ピガール交響曲」を見ることが出来たのはとても嬉しいことでした。
ジェンヌが元気でいてくれたらファンも元気でいられる。
劇場でなくても映画館でも自宅でも楽しめる宝塚。世界が広がってよかった部分もあるかもしれませんね。
来年もまだコロナ禍は続きます。望海風斗のさよなら公演が無事に始まり無事に終わるように祈っています。そして珠城りょうのさよなら公演も。