どどーん・・・星組版「1789」のポスターです。
ポスターはかっこいいよね。
アルトア伯・・瀬央ゆりあ
カミーユ・・・暁千星
マリーアントワネット・・・有沙瞳
極美慎・・・ロベスピエール
予想通りといってはなんですが、ほんのちょっとだけありちゃんアルトア伯を期待していたんですね。
カミーユ・デムーランってロベスピエールと仲良しで、わりとおぼっちゃんで結婚してて、「武器をもて」と歌うんですよね。
凪七瑠海のイメージでいくと優しくて大人でって感じだけど、イマイチインパクトがないような気がしたんですよね。
むしろロベスピエールの方が見せ場があったんじゃないかって。
でもまあ、前回は見る事の出来なかった2幕目冒頭のダンスを期待します。
ところで。韓国で「ベルサイユのばら」の上演が来まり、現在オーディション中とか。
ミュージカルファンじゃない人にとってはどうでもいい事なんだけど、私はとっても悔しいというか、複雑な気分です。
近年、韓国ミュージカルが日本のミュージカル界を浸食している事をご存知でしょうか?
愛希れいか主演の「マリーキュリー」とか、宙組で上演予定の「エクスカリバー」とか、宝塚にまで浸食して来たのかと。
韓国は、ドラマにしても映画にしてもミュージカルにしても、濃いのが売り。
脚本も濃いし、演技も濃いし、それだけ重いんだと思うんですが、ある意味はまる強さを持っているんです。
音楽だってそうですよね。
KーPOPはシンクロの仕方が半端ないし、ダンスや見た目へのこだわりが強い。
日本のように素人を舞台に上げて成長して行く様を見せるのではなく、それぞれ演劇関係の大学を出ていたり、養成所でしっかり勉強してきたり。
そのわりには国土が狭いせいなのか、大きな劇場がないというイメージがあります。
その昔、劇団四季が韓国に劇場を作ろうとしたけど結果的にダメだった。
日本は宝塚歌劇団以外、オリジナルのミュージカルを大劇場で上演する事はほとんどありません。
ブロードウエイ、フレンチ、ウイーンミュージカル、そして今回は韓国と。
どうしてなんでしょうか?
日本の脚本家はミュージカルを書く事が出来ないの?そんな事ないよね。
宝塚の良作の中で世界に発信できる作品はいくらでもあると思うんです。
ブロードウエイのコピーばかりではなく、日本なりの演出で日本なりの作品を作る事が出来るはずなんです。
しかし、いかんせん脚本家が育たないんですね。
東宝とか松竹とか、そういう大きなところが、新人の作家を育てようという意識がないのと、「上手な脚本」と「面白い脚本」の違いがわからないお偉方が多いのです。
ほんの30年前など帝劇では、森光子。平幹次郎などの主演で、日本でしか書けない脚本でカタルシスに溢れた作品がいつも上演されていました。
ところが「レミゼ」がヒットしたあたりから、海外ミュージカルにシフト。
1996年に「エリザベート」が宝塚で大ヒットし、それが東宝でもあたってから、バカの一つ覚えのように「エリザベート」が上演されるようになりました、
いくらブロードウエイとはいえ、日本の風土に合わないような作品も繰り返し繰り返し上演されて来ました。
日本がそんな事をしている間に韓国は脚本家を育てて、オリジナルなストレートプレイやミュージカルを量産して輸出していたという事になります。
それを嬉々として演じているのが日本人とは。
「ベルサイユのばら」に関しては、宝塚の専売特許だった筈なのに、池田理代子さんたら・・・とは思う。
思うけれど、宝塚ではどうしても植田紳爾脚本を変えることが出来ないわけですね。時代遅れと感じつつ、セリフが古いと思いつつ、でも新しい「ベルばら」を生み出す勇気がない、実力がないの。
韓国がすっかりオリジナルな脚本で宝塚以上におしゃれで感動的な「ベルサイユのばら」を作り出したらと思うと不安で一杯になります。
日本のミュージカル界は、そして宝塚歌劇団はどうしてもっと脚本の門を広げないのか。単なるモチーフからでもいい、小さな芽を見つけて手伝って一つの作品にして行くというような作業をなぜしないのか。
いくら商業演劇とはいえ、あまりにも客の事を考えていないよなと思います。
日本も輸入ばかりせずに輸出していくべきだと思います。
そうでないと文化が韓国に侵略されてしまいますよ。