最近はすっかり倹約と貧乏性に慣れておりましてね・・・値段が高いものをみると、足が震えてしまうんですよ。
我が家の姫ちゃんは私の為に、冷たいお茶をボトルに2本作ってくれます。毎回毎回。
姫ちゃんが夢の国にいた頃には、定期的にルピシアのお茶を買ってくれました。
ルピシアのお茶は本当においしくて、ご進物にもいいですよね。
毎月届く、季節のお茶も楽しいのですが、最近は舞浜なんて行きませんので。
その代わりと言ってはなんですが。
前回、日本橋へいった時に「一番煎り茶」というのを見つけ、感動してしまったんですね。
京都では赤ちゃんに飲ませる程ポピュラーなお茶なのですが、とにかく香りが強い。
それもハシバミの薫り。
つまり、焚火の薫りがするんです。
一口飲んだら「冬ソナ」の焼却炉でユジンとチュンサンが枯葉を集めているシーンが浮かんだ程。
で、それはコレドで飲んだ和菓子屋さんで知ったので、ついつい買ってしまいました。
さらに紅茶は全回、kikiに行った時に色々試しのみにして、いくつか買って、そんな風に姫ちゃんに楽しませて貰っています。
で、いきなり姫が「日比谷に行きたい。でも日本橋も行かないと一番煎り茶がない」というので、またもしょうがなくついて行きました。
正直、今の私には日本橋は敷居が高すぎてね。
でも、三越はそりゃあまあ、クリスマスでにぎわっておりまして、せっかく来たから上から順にみるだけの「ウインドウショッピング」しましょうと言う話になりました。
所が!最上階の催し物で姫が躓きました。
ワコールの下着セール・・・・ いや、こういうのは別にここで買わなくても・・・と思ったけど姫は「わあ、パンティ買おうっと」って始まり、さらにナイトブラまで。
なので、私もついお揃いで買ってしまい・・・ 3枚1000円でいいんだけどとブツブツ言ってると
「ママ、こういう時はそういう事言っちゃ駄目」と叱られる始末。
この日は寝不足なのか、履きなれないブーツでとにかく足が疲れて。
ほんと、三越って広いわ。
1階でパイプオルガンの演奏をやっていて、それを上から眺めてすっかりクリスマス気分。
でも疲れてお茶を・・・と思ったら、なぜか蕎麦屋さんで。
え・・お蕎麦にこの値段と思いつつも、ゆったりと食べてお茶飲んで。
あちらの席には上品なおばあ様が素敵な服装で一人、お蕎麦とお茶を楽しんでいらっしゃる。優雅だな~~~(都会のご老人は足が丈夫じゃないと生きていない事を確信)
でもそこで姫ちゃんの最近の話を聞いたり、色々経験した事を話したりして、こういうゆったりとした時間が贅沢なんだよなと自分に言い聞かせ。
あとはずっと見るだけ見て、地下でお茶を買って・・って思ったら、またも姫が躓いた。
ひっかかった先は「香水」ですよ。
「お試しに嗅いでみませんか」と言われて「じゃあ」とか言っちゃう!
ダメ、そんな事をしたら買う方向へいくでしょうがっ!
「当店はイギリスのブランドで2008年に立ち上げております」
それが
これ、
こういうブランドなんですよ。50mlと100mlのボトルで、すごく目を引くんですね。
だけど値段を見たら5万?6万?いやいやいや・・・去るに限る。
けど、姫は去らずに次々お試しで、つい私もお試しで。
何というか、使っている香料が沢山で、フランスのような軽さがなくて、劇場などで時々香って来るような、レトロだけど飽きない香りの数々。
営業のお兄さんは姫が印象を語る度に「そうなんです!」と力説し始め、せっかく来た別のお客さんにはパンフ渡すだけで。
何でも今年一杯は三越でやってるけど、あとは銀座かどっかの本店いかないとダメで、そこでは種類が揃わず、さらにいうなら来年からが値段があがります・・らしくて。
私と姫が特に気に入ったのは
オードパルファンジュビリー。
「こちらはエリザベス女王がまとったものになります。エリザベス女王は沢山、香水をお持ちでしたが、棺の中に入れられたのはこれだけです」
という事で、めちゃ上品な香りに包まれてしまいました。
重み、そして華やかさ。
さらに
これ、タバコサファイアっていうんですけど。
葉巻のような香り。しかも最初はスパイしーでどんどんムスクっぽくなって。最後は甘くなる。
こんな風に次から次へと試して、トップノートからミドル、ラストまで話をしながらやってたらあっという間に1時間2時間過ぎちゃって。
でも値段を見ると、庶民に手が届くものじゃなくて。
(ねえ、買えないから帰ろう)と袖をひくも、姫は「あれはなんですか?」と・・・
え?それは小さなお試しセット。
2セットで6万弱。
かなりお得ではあるけど・・・・姫ちゃん「クリスマスだから」と買ってしまった。
「勿論半分はママ持ちだからね」といいつつ。
分割でお願いします・・はい。
それでもぶつぶついう私に「じゃあ、今から返しに行こうか!」とキレられて。
ごめんなさい!
地下へ行き、一番煎り茶を買うついでに、やっぱり和菓子に目がいってしまって
この4個セットを買う事に。
勿論、そのあと、キャトルにも行きましたよ。
上演してない宙組のバッグやらグッズを見て、本当に可哀想だなと思ったし。
本当ならにぎわっている筈なのにと思うと、本当に悔しくて。
帰宅してからさらに、お試しした香りを(もうラストになってましたが)もう一度感じて「ゴージャスねえ。香水というものは」とふと若い頃を思い出してしまいました。
「まだバブル前だけど、1980年代の終わり頃に香水ブームがあったのよ。フランスの香水とか日本のとか、雑誌に沢山載ってて名前を覚えて、それから学校の帰りにデパート寄ってずらりと並ぶ香水を色々試して、バイト代でゲランのカボシャールを買った事があるの。カボシャールって「強情っぱり)」って意味で。今はもうないけどね」
なんて話をしたら「そんな時代、全く経験してません」と言われてしまいました。
そうなの。あの頃は円高が進んで輸入品が安くなっていたんだと思います。
だからゲランのカボシャールも手が出なかったわけじゃないし、柑橘系の薫りが好きだったから愛用してたの。
お誕生日にシャネルの5番をプレゼントされたり、社会人になってからはニナ・リッチやシャネルの9番などなど、色々試したり、海外旅行で買ったりしたものですけどね。
結婚して子供を産んでからは、そんな華やかな事からは遠ざかっていた筈なんですけど、それでも姫は棚の中にしまってある、オードトワレの薫りを知っていたのかしら。
「こうなったのもママのせい」とまた言われてしまいました。
ヅカファンになったのも、贅沢が好きなのもぜーんぶママのせい。
それをいうならさあ。ママのママとダディだよ。あの夫婦こそ本物の贅沢が大好きな二人で、お蔭で家が潰れました~~~~
でも、滅多に出会う事のない香水に出会ったのは、これは運命かも。
どうしたって普通なら出会う筈のないものでしたから。
そういう意味ではクリスマスプレゼントだったのかもしれませんね。
ああ百貨店。この世には百貨店が必要ですとも。