日本人初の快挙です!
おめでとう真田広之!エミー賞での作品賞に加えて主演男優賞。
アンナ・サワイさんも主演女優賞おめでとうございます。
これがどれだけの快挙かって・・・いや~~なんていうか、映画ではなく「ドラマ」って所なんですよ。連続ドラマ。
エミー賞はドラマのアカデミー賞と呼ばれている賞で、過去には日本でもおなじみのドラマ「ER」や「ジェシカおばさんの事件簿」「こちらブルムーン探偵社」などが受賞しています。
海外ドラマ好きにはたまらない賞でありました。
しかし、日本人がこの中に入るというのは全く考えられない事でした。
日本からアメリカへ渡った俳優といえばケン・コスギの忍者ブームというのがありますけど、それっきり。
私は、刑事物などが好きでCSIシリーズも見てるし、医療ものでは「ER」を始めとするありとあらゆるドラマを見て来ました。
でも、概ね、活躍しているのは韓国人と中国人、それも、アメリカ生まれの人達、そういう人達が「日本人役」で出てくると言うのはすごく嫌ですよね。
それと、最近はポリコレに配慮しすぎて、純粋に白人ドラマがみたいのに、やたらめったらアジア系、アフリカ系を使うという風潮も本当は好きじゃありません。
日本人は「奥様は魔女」で育ってるから、画面が明るいのが本当は好きなのだと思います。
今、WOWOWなどでやっている「FBI」シリーズの主役はムスリムですから。
例えば宗教や人種で葛藤する姿なんかはあまり見たくはないんですけど(そういいつつ見てます)
アメリカのドラマではよく「日本」を舞台にした1話もありますが、大抵はチャイナタウンかリトル・トーキョーで撮影、なぜか大阪に船着き場があったりするへんてこなものばかり。
本当に日本人として、日本のスピリットを感じて欲しい。
それが出来たわけじゃないけど、近かった作品が「HAWAII5-0」で、東日本大震災を取り上げた回と、戦前日本にいた日系人を扱った2話。
「コールドケース」でも1話、そういう戦前の日系人を扱ったものがありました。その時の日本人役は、アメリカ系日本人でした。それだけでも私としてはすごい驚きだったんですよ。
そんな感じですから、今回、真田広之がプロデユースした正しい日本の時代劇である「SHOGUN」は、アメリカ人に「日本人とは何か」を正確に伝えるという意味でよかったのではないかと思います。
あちらでは相変わらず忍者が人気だけど、そこで止まっている人達もいるわけで、戦国時代を扱う事で「日本の武士」はどういうものなのかと理解して貰えれば国際的にも有益です。
若い人は真田広之って誰?って人もいるでしょう。
三菱UFJ銀行のCMで、偉そうな人くらいのイメージですか?
いやいや、子役出身で千葉真一の「JAC」にも所属していたアクション俳優です。背が低いのが難でしたけど、私達世代にマッチしていたとうか、名作ドラマの「高校教師」で主役を演じてかなり有名に。
「里見八犬伝」も見たなあ。それに大河ドラマ「太平記」もよい作品でした。
日本にいた頃には本当にありとあらゆるドラマで彼を見てましたが、一番好きなのは、マイナーで視聴率があまりよくなかった「こんな恋のはなし」です。
玉置浩二と松嶋菜々子との共演で、背が高い松嶋菜々子を相手に、シンデレラストーリーのようなお話で、私は大好きです。
で、海外へ行ってからは正直、よくわからなかったんですよ。
うまくいくとも思えなかったし。
確かに「ラスト・サムライ」で有名になったけど、その後、渡辺謙が出てきたりして派手な露出がなかったような気がします。
でも、今思うと様々なドラマや映画に出ていて、少しずつキャリアを積み上げていったなという印象です。
私が欠かさず見ていた「LOST」(2010)に本当に重要な役で出てきた時にはびっくりして、「おっ!」って思いました。「LOST」といえばマシオカが日本人として有名ですけど、日本人が2人も出ていたと思うと感慨深いです。
それから「ラストシップ」(2016)には、たった一人で中国を相手に戦って日本の文化遺産を守りつつ死んでしまうというめちゃくちゃすごい役で出てきて、もう嬉しくてしょうがなかったな。
彼の拘りは「日本人には日本人の礼儀作法があり、感情の流れがある」という事を証明してくれた事でしょう。
今でも、日本に来たアメリカのスターが両手を胸の前で合わせたりしますけど、それは日本人の仕草ではないよね。
「お辞儀」をするのは日本人だけ、同じアジアでも中国や韓国とは文化がちがう、作法も違うという所をきちんと表現してくれた事でしょう。
今回のドラマには平幹二郎の息子さんや、西岡徳馬。浅野忠信など日本人も多数出演しており、日本でいつ放送されるんだろうなと楽しみではあります。
日本のテレビ局がどこ程度、この快挙を伝えるんでしょうか。