皇太子は戸惑いを隠せなかった。
春からこっち、マサコの様子がおかしい事には気づいていた。
アイコの発達が遅れている事が原因なのは明白だった。
しかし、彼はどの事がどうしてそこまで妻の心を傷つけているのかが
理解できないのだった。
人と比べなくてもアイコは十分に可愛い娘だ。歩けなくても言葉を話さなくても
表情で感情はわかるし、やがてちゃんと一人で歩くようになるだろうし。
今、いくら心配したってなるようにしかならない事なのに。
「あなたのせいよ」とマサコは言う。
「あなたの血筋のせいよ。皇室は血族結婚ばかりやってきたから血が濃くて
変なのが生まれるの。私のせいじゃないわ」
彼女のこの言葉には皇太子は非常に傷ついたが、言い返す事が出来なかった。
「もう子供は産まないから」ときっぱり言われた時も
「しょうがない」と心底思った。
マサコの娘を見る目は生まれた頃とは明らかに違っていた。
生まれたばかりの頃は「自慢」ばかりしていたのに、今では見向きもしない。
でもそれも仕方ないのかなと思う。
せめて自分だけは娘のよい父親でいたいと思う。
だけど、東宮大夫も宮内庁長官も天皇も皇后も「世継ぎ」を期待している。
「世継ぎ」の重要性はわかっているつもりだ。
自分だって皇室に生まれた人間なんだから。
でも、だからといってマサコに出産を強要していいものだろうか?
もう産みたくないと言っているのに。
日常生活の何もかもが妻を傷つけているようだった。
公務で子供に会えば傷つき、「アイコ様のご様子は」と聞かれれば傷つき
そんな事を言った相手をののしる。
「何のつもりであんな事を聞くのかしらね。嫌味なのかしら?私に恨みでもあるの?」
どうして全身総毛立つ程怒りに満ちるのか、皇太子にはさっぱりわからなかったけど
でもとにかく妻は傷つくから、こちらが配慮しなくてはと思った。
3度の公園デビューにも公務を休んで付き合ったし。
でも、その事を注意されれば「母としての私を否定された」と怒る。
里帰りの時に迎えに行ったら「もう来たの?」と言われるし。
どうやったら彼女が昔のように笑ってくれるのかわからない。
だけど、今はとにかく、彼女の言う通りにしないと。
アイコの誕生日に親子3人で参内した。
その時も着替えをしながらマサコは
「何で毎年行かなくちゃいけないの?面倒だし無駄だと思う。バカみたい」と
散々いい募り、それでも何とか車に乗り込んで参内した。
アイコの様子には、両親も非常に心配していた。
「御挨拶」が終わると、さっそく「アイコは元気なんだろうね?」と陛下がお尋ねに。
しかし、その言葉がマサコの怒りをあおったのか、マサコは無視した。
うんざりした顔を横に向けて「だから連れて来たんじゃない」とぼそっとつぶやくのを聞いた。
幸いにして天皇には聞こえなかったらしく
「元気ならいいね」とおっしゃった。
マサコが終始ぶすっとした顔をしているので、さすがにそれはまずいと思って
「もうちょっと笑った方がいいよ」と言ったら、余計に眉間にしわをよせて。
翌日には熱を出してしまった。
皇太子はマサコが熱を出した原因が自分ではないかと急に怖くなった。
医師は「ストレスによる帯状疱疹」と診断したからだ。
ストレス。きっと自分が何等かの形で彼女に無理強いをしていたのかもしれない。
皇太子は深く思い悩み、その末に
「暫く公務から外れては」と言った。
その言葉を待ってましたとばかりマサコはようやく「そうね」と言い、自分の誕生日行事も
キャンセルして「病気」を理由に一日中自室に引きこもり始めた。
そんな時に、よりによって宮内庁長官がアキシノノミヤ家について
「皇室の繁栄を考えると3人目のお子様を期待したい」と言った。
無論、この言葉はマサコの心を大きく傷つけた。
「何よ何よ何よ!アイコじゃダメだっていうの?うちの子が障碍児だから
弟夫婦に産めっていうの?何様のつもり?
私は何?私は用無しなの?ひどいひどい!私は騙されたんだわ」
大声を上げて泣き叫ぶ妻に、皇太子も女官長も東宮大夫も何ともしようがなかった。
マサコ自身が「もう子供を産まない」と宣言した以上、どうしても世継ぎが必要な
皇室は弟夫婦に何とかしてもらうのが筋な筈である。
しかし、マサコからみれば、それこそ「自分は用無し」と言われたように感じたのである。
「違うよ。マサコは必要だよ。アイコは僕達の子供じゃないか。内親王だよ。
この子をしっかりと育てて行くのが・・・」
「育てて何になるの?天皇にしてくれるわけ?」
「それは・・・」
「女だからって天皇になれないとか皇位継承権がないとか今時おかしいんじゃないの?
アイコは皇太子の娘でしょう?将来は天皇の娘になるんでしょう?
その子が何で皇太子にも天皇にもなれないのよ。障碍?そんなの差別じゃないの?
皇室って差別主義なの?」
畳み掛けるように矢継早に言われて皇太子はすっかり言葉を失ってしまった。
「女性差別で障害者差別の、古臭くて無駄なことしかしない皇室の・・私とアイコは
犠牲になるんだわ!日本国憲法は男女平等を説いているのに、ここだけ封建社会なのよ!」
そして、マサコはアイコ共々東宮御所を出た。
回りが止めるのを聞かずに軽井沢へ。
一瞬にして置いてきぼりを食わされた皇太子は、まるで呆けたように誰もいなくなった
ダイニングルームの椅子に座っていた。
わかってますよ フィクションよねフィクション(笑)
このフィクション上のバサ子卑のトチ狂い方、どこかで見たことあると思ったらかの国の火病じゃないですか
あらら~遺伝子は裏切らないのねーwww
交代しさんもおかしいなって思いつつもまさかここまでの女性とは思わなかったでしょうね こんなタイプにはお目にかかったことなかったろうし、いや一般でもあまりいないかも・・・
ちょっとかわいそう・・・でも先帝陛下がダメっておっしゃったのをゴリ押しして選んだんだから自分で始末つけないと、ですよね
無理でしょうね 自分の手には負えないだろう、だから一緒に堕ちて行く方を選ぶのか なるほど納得ですね
「あなたの血筋のせいよ。皇室は血族結婚ばかりやってきたから血が濃くて
変なのが生まれるの。私のせいじゃないわ」
御意!
「もう子供は産まないから」
親王とは限らないし、親王でもあんなだったら!
こんな想いはしたくない!
「何のつもりであんな事を聞くのかしらね。嫌味なのかしら?私に恨みでもあるの?」
何も知らないからきいてくるんです、ここから少し疑問符が。
>うんざりした顔を横に向けて「だから連れて来たんじゃない」とぼそっとつぶやくのを聞いた。
妙に納得。でも無礼です。
>マサコが終始ぶすっとした顔をしているので、さすがにそれはまずいと思って
皇太子が気がつくくらいだから、単に無表情とかではなく、
にらみつけてたのでは?
>「皇室の繁栄を考えると3人目のお子様を期待したい」と言った。
無論、この言葉はマサコの心を大きく傷つけた。
私なら、秋篠宮家が、紀子妃が、生んでくれるならそれで感謝、
ホッとします。
>女だからって天皇になれないとか皇位継承権がないとか今時おかしいんじゃないの?
アイコは皇太子の娘でしょう?将来は天皇の娘になるんでしょう?
私なら、天皇にならなくてすむなら、ホッとします。
どこかの宮家を見習って、海外留学させたりします。
天皇にならなくていいのだから、気楽に教育できますから。
それが出来たらイイヨネー。でも、マトモな人はしない。
口に出したり、行動したりするのは理性が羞恥心が良心がストップを掛けるから。
今のトーグー家に不快感を覚える人が多くなったのは、当然の結果。
浅い推測と深い洞察の違いをきちっと区別出来ている方が、ふぶき様の愛読者のほとんどを占めていらっしゃると思います。
大人になっても、とことん他罰的な言動をする人は、周囲の人を苦しめます。
でも、結果的には墓穴を掘っているだけ。自滅の道をひた走る。
ひた走ってゴールが見えてきた?
東宮家に第二子を、っとおっしゃったのではなかったですか?
あ、フィクションでしたね。
人は誰しもこのマサコさんと同様な怠惰な部分を
内包しているんだと思いますよ。
普通は、人としての矜持があるから、切磋琢磨し、
日々努力を重ねるわけです。
ああはなりたくないよね、ああはなるまい、
と思うからこそ、あの方を嫌悪するのでしょうね。
日々の糧を得るために、誰かを幸せにするために、
庶民はがんばるのです。
秋篠宮家叩きは、雅子さまが仕組んでいるものだと思わずにはいられませんねぇ。
フィクションでありながらも、つい邪推してしまいます。
私はふぶきさまも何かそんなものに似た力が働き、書く使命を帯びて書いてらっしゃるような気がします。
だって乗り移ったように心情を書かれるのは雅子さまに限ってませんもの。紀子さまだって清子さまだって、他の皇族方を書かれる時だって、本当にご本人がそう言われたかのようです。
楽をしたい、好きなことだけしたい、富と権力を持ちたい、崇められたい、大切にされたい…。
怠惰な性格の私は言わずもがな、です。
沢山の人がどこかで雅子さまの気持ちが分かるからこそ、あの言動に対して反発しているのだと思います。
一国の皇太子妃でなかったら、単純に興味深く観察出来るのにな…とつい考えちゃいます。