パンパカパーン 今日は両陛下の結婚記念日。
50周年・金婚式です
おめでとうございます いつまでもお健やかにでいて下さい。
記者会見
時代にふさわしい新たな皇室のありよう、一方で守ってこられた
皇室の伝統についてお聞かせいただくとともに、それを次世代に
どう引き継いでいかれるのかもお聞かせください。
天皇陛下
「私どもの結婚50年を迎える日も近づき、多くの人々からお祝いの
気持ちを示されていることを誠にうれしく、深く感謝しています。
ただ国民生活に大きく影響を与えている厳しい経済情勢の
さなかのことであり、祝っていただくことを心苦しくも感じています。
皇后は結婚以来、常に私の立場と務めを重んじ、また私生活においては、
昭和天皇を始め、私の家族を大切にしつつ私に寄り添ってきてくれたことを
うれしく思っています。
不幸にも若くして未亡人となった、私の姉の鷹司神宮祭主のことは
いつも心に掛け、那須、軽井沢、浜名湖でよく夏を一緒に過ごしました。
姉は自分の気持ちを外に表さない性格でしたが、あるとき、
昭和天皇から私どもと大変楽しく過ごしたと聞いたがどのように
過ごしたのかというお話があったことがありました。
私ども二人は育った環境も違い、特に私は家庭生活をしてこなかったので、
皇后の立場を十分に思いやることができず、加えて大勢の職員と共にする
生活には戸惑うことも多かったと思います。
しかし、何事も静かに受け入れ、私が皇太子として、また天皇として務めを
果たしていく上に、大きな支えとなってくれました。
時代にふさわしい新たな皇室のありようについての質問ですが、
私は即位以来、昭和天皇を始め、過去の天皇の歩んできた道に
たびたびに思いを致し、また、日本国憲法にある「天皇は、
日本国の象徴であり日本国民統合の象徴」であるという規定に心を致しつつ、
国民の期待にこたえられるよう願ってきました。
象徴とはどうあるべきかということはいつも私の念頭を離れず、
その望ましい在り方を求めて今日に至っています。
なお大日本帝国憲法下の天皇の在り方と日本国憲法下の天皇の在り方を
比べれば、日本国憲法下の天皇の在り方の方が天皇の長い歴史で見た場
合、伝統的な天皇の在り方に沿うものと思います。
守ってきた皇室の伝統についての質問ですが、私は昭和天皇から
伝わってきたものはほとんど受け継ぎ、これを守ってきました。
この中には新嘗祭のように古くから伝えられてきた伝統的祭祀(さいし)も
ありますが、田植えのように昭和天皇から始められた行事もあります。
新嘗祭のように古い伝統のあるものはそのままの形を残していくことが
大切と考えますが、田植えのように新しく始められた行事は、
形よりはそれを行う意義を重視していくことが望ましいと考えます。
皇室の伝統をどう引き継いでいくかという質問ですが、先ほど天皇の
在り方としてその望ましい在り方を常に求めていくという話をしましたが、
次世代にとってもその心持ちを持つことが大切であり、個々の行事を
どうするかということは次世代の考えに譲りたいと考えます。
皇后さま
「50年前、普通の家庭から皇室という新しい環境に入りましたとき、
不安と心細さで心が一杯でございました。今日こうして陛下のおそばで、
金婚の日を迎えられることを、本当に夢のように思います。
結婚以来、今日まで、陛下はいつもご自分の立場を深く自覚なさり、
東宮でいらしたころには将来の象徴として、後に天皇におなりになってからは、
日本国、そして国民統合の象徴として、ご自分のあるべき姿を求めて歩んで
こられました。
こうしたご努力の中で、陛下は国や人々に寄せる気持ちを時と共に
深められ、国の出来事や人々の喜び悲しみにお心を添わせていらしたように
思います。
50年の道のりは、長く、時に険しくございましたが、陛下が日々
真摯(しんし)にとるべき道を求め、指し示してくださいましたので、
今日までご一緒に歩いてくることができました。
陛下のお時代を、共に生きることができたことを、心からうれしく思うとともに、
これまで私の成長を助け、見守り、励ましてくださった大勢の方たちに
感謝を申し上げます。
質問の中にある「皇室」と「伝統」、そして「次世代への引き継ぎ」と
いうことですが、陛下はご即位に当たり、これまでの皇室の伝統的行事
及び祭祀とも、昭和天皇の御代のものをほぼ全部お引き継ぎになりました。
また、皇室が過去の伝統と共に、「現代」を生きることの大切さを深く思われ、
日本各地に住む人々の生活に心を寄せ、人々と共に
「今」という時代に丁寧にかかわりつつ、一つの時代を築いてこられたように
思います。
伝統と共に生きるということは、時に大変なことでもありますが、
伝統があるために、国や社会や家が、どれだけ力強く、豊かになれているか
ということに気付かされることがあります。
一方で型のみで残った伝統が、社会の進展を阻んだり、伝統という名の下で、
古い慣習が人々を苦しめていることもあり、この言葉が安易に使われることは
好ましく思いません。
また、伝統には表に現れる型と、内に秘められた心の部分とがあり、
その二つが共に継承されていることも、片方だけで伝わってきていることも
あると思います。
WBCで活躍した日本の選手たちは、鎧(よろい)も着ず、切腹したり、
ゴザルとか言ってはおられなかったけれど、どの選手も、やはりどこか
「さむらい」的で、美しい強さをもって戦っておりました。
陛下のおっしゃるように、伝統の問題は引き継ぐとともに、
次世代にゆだねていくものでしょう。
私どもの時代の次、またその次の人たちが、
それぞれの立場から皇室の伝統にとどまらず、統と社会との問題に対し、
思いを深めていってくれるよう願っています。
陛下が昭和天皇の公務を全部引き継いでいる事を強調して
いるのが特徴的ですね。
一旦は伝統を踏襲しつつ、少しづつ意義を考えつつ替えるべきもの
は変えていくというのが必要ですよね
でも東宮の場合は「やりがいのある公務」ですから・・・・