畑に吹く風

 春の雪消えから、初雪が降るまで夫婦二人で自然豊かな山の畑へと通います。

連載131「ジャンが鳴ると」(その3)

2017-12-01 19:38:03 | 暮らし

   ジャンが鳴ると(その3)


 ゴールの瞬間に宙に、外れ車券が花のように舞う。

真判定に持ち込まれる、微妙な勝負でもなければ、当たり外れは誰でも分かる。

しかし、ここで早まってはいけない。レース審議が放送される事もあるからだ。

ルール破りの競り合いで、失格選手が出る事もある。事によってはレースの不成立もある。

何事も無くレースの終了、着順と払い戻しが発表され、再び観客席はどよめくのだ。


 ある年の暮れ、職場の忘年会の帰りに、競輪を楽しもうと衆議一決。

参加者全員で競輪場に繰り込んだ。前夜の酔いの残りと、朝酒も効き入場前から興奮気味だ。

十人を少し越えるメンバーだった。


 どういった風の吹き回しか、私の勘は冴え、何レースか立て続けに取った。

最終レースも手堅く、基本的な買い方をした。レースは荒れた。


           (続く)

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連載131「ジャンが鳴ると」(その2)

2017-12-01 05:26:50 | 暮らし

        ジャンが鳴ると(その2)

 車券の番号により、売り場の小さな窓口が分かれているのが当時の方法だった。

本命の売り場は混む。「お兄さん、私の分も買って」と言う声に振り向くと、子供を背負った若い母親だ。

年老いた夫婦と見受けられるペアもいる。競輪は庶民的でもあるのだ。


 さて、買った車券を持ち観客席へ。ここも押し合う、混雑状態だ。待ちに待ったレースが開始される。

ピストルの音でスタートが切られると、観客席がどよめく。

レース距離とか、先頭固定とかでレースはいくつかの方法に分けられ進められる。


 選手達はそれぞれの作戦で前後のマーク相手を見ながら、有利な位置取りを狙う。

どのレースも本当の勝負は最後の一周だ。


 最後の一周を知らせる、競輪名物のジャンと呼ぶ半鐘が叩かれると興奮も最高に高まる。

お客の声援と怒号。皆の大声が錯綜する。第四コーナーで競る。

バンクを最大限に利用して、大外から捲りに入る選手。内側からもがいて逃げる選手。

選手の思惑、お客の思惑が沸騰する。

 

            (続く)

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快晴の仕事日和のお仕事は(その2)

2017-12-01 05:26:18 | 暮らし

 仕事を終え、帰宅準備をする頃にケーブルテレビの番組「魚沼農業日記」を製作するFM魚沼の社長さんが来訪。

何でも、FM魚沼の看板を設置させてもらいたいとの相談でした。そのため昼食時間は少し遅れてしまいます。

 折から来訪の娘に昼食作りを担当してもらい、孫と遊ぶのもつかの間に再び表へ。

我が家は山際と言う事もあり、冬至前は午後2時頃には日陰に入ってしまうのです。急がなくては。

 

 スベルべママが一人で奮闘していたのは大「秘伝」の脱穀。

快晴の空など滅多になかった今年で、最後のワンチャンスとばかりに仕事をしていたのでした。

 

 「すばる姉」から借りっぱなしの鉄製「電動とうみ」で仕上げです。

脱穀した穀物をごみと分別するには大きな力を発揮。風の力でごみと穀物を分別してくれる力強い道具です。

 

 最初に分別したのはこの「真珠豆」でまさに真珠のような輝き。

大阪のブログ友達「熊取のおっちゃん」さんから、種を分けて頂き作っている、インゲン豆の一種です。

 

 軽いゴミは風圧で前方に飛び、左右の口からは大豆などが出てきます。

向こう側にはほぼ大豆だけが出るし、こちら側には少し重い未脱穀の莢などが落ちてくる。

 

 二つの出口の前に置いた竹製の古い「箕(み)」の中に落ちる「秘伝」です。

この美味しい晩生の品種「秘伝」は我が家の宝。

 味噌になったり、「フライビーンズ」になったり、「打ち豆」そして「煮豆」と楽しませてくれます。

ここで、いつも言うセリフが「スローライフは忙しい」です。スローフードって忙しいのですよ。

            (続く)

 

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