幼かった娘たちが、枝ごと採ってもらった林檎を持っている。
その頃の愛車はカローラバン。遊びも仕事もこれ一台でこなしていた時代でした。
林檎と思い出と②(その1)
あの地域でも、河川敷とか山の上とか林檎を作る畑は色々な場所に有り、
その家の畑は美味しく出来ると言う山の上の畑であり、
事実何処の林檎と比べても遜色のない美味しい美味しいものだった。
長いお付き合いの間に畑は、我が家の母が亡くなり、その家のお爺さんが亡くなりして、
お互いに家族の構成も変わっていく事となる。
ある年の事、林檎のシーズンを前にして一通の手紙が届いた。
奥さんが病気になり、対応できませんので御遠慮下さいと言う悲しいお便りだった。
そして、一年近く後に奥様が亡くなられたと言う悲しい手紙が届いた。
私たちは夫婦ですぐに駆け付けた。
葬儀を終え、静かになったご自宅の仏壇に奥さんが使ったのであろうと思われる携帯電話が置いて有った。
(続く)