畑に吹く風

 春の雪消えから、初雪が降るまで夫婦二人で自然豊かな山の畑へと通います。

連載163「鳥正」(その2終わり)

2018-07-28 14:08:50 | 食べ物

               鳥正(その2終わり)

 有る年に、妻と妻の母、義母を伴って出掛けたことが有ったが、やはり同じ店に入った。

お昼時は随分の繁盛で、中には鶏肉料理で昼からビールと言う果報者も何人か見えて羨ましい気持ちにさせる。

そんなご機嫌な年配のお客が義母に語りかけた。


  「お婆ちゃん、それみんな食べられるの?」と。義母の注文は「空揚げ定食」で有り、

大きな丼にたっぷりのご飯が盛られていた。

若い頃から力仕事に励んできた義母は中々の健啖家でも有ったのだ。


 義母は綺麗に平らげて「御馳走様」と小さく言うと、となりのお客は目を丸くしてたっけ。

その店も年に一度の客の私たちを覚えて下さっている、愛想の良い女性が居た。

でも、となりのお客がそっと言うには「家族なのに仲が悪くて出てしまった、それから味が少し落ちた」と言うことだった。


 鶏モツを使った、やや濃い目で美味しい定食をもう一度食べたいし、

出来るならばあのモツでビールを、あの時の年配のお客のように飲んでみたいものだ。


          (終わり)

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レシピ本にスベルべ登場(その2終わり)

2018-07-28 04:33:58 | 食べ物

 

 右の「ちぃぼう」が元々父上が経営されていたお店で、昨年内装をリニューアルしてオープン。

そして、左の「すずきち」が、オーナーシェフがスベルべ夫婦と知り合ってから開店した言わば1号店。

 

  そして、左の「スズベル」は今年の3月にオープンし、スベルべ夫婦はプレオープンに招待されています。

右の「スズサンロクゴ」は一昨年のオープンだったかなー。

 営業時間にご注目下さい。飲食店にしては19時と早い時間の閉店です。

これは、結婚しお子さんを持っても今まで通りに働いてほしいという気持ちからのお店でも有るのです。

 

  レシピ本の巻末にある彼の紹介です。

若かったけれども、色々なお店で修業を積み、そして色々な人たちと交友を広げて来たのです。

 

  初めて我が家に来宅したときは夫婦で「若いね、まだ頼りないね」なんて会話をしていました。

今や、地元の長岡ばかりではなく、新潟市、いえ新潟県でも有名な人物となり、言動も変わってきましたね。

 

 良い言葉ではありませんか。スベルべ夫婦との付き合いからも生まれた言葉かなんてちょっぴり感じます。

何だか、スベルべ夫婦も我が事のように嬉しい、店の隆盛とレシピ本の発刊でした。

 嬉しさにも正直なところ少し複雑な思いも持っています。こんな食べ物を提供する店をスベルべも夢見ていたのです。

その夢が、挫折し失意のどん底にあり、ようやく立ち直りつつあるタイミングで出会ったのでした。

だから、嬉しさと、そして寂しさもちょっぴり感じるのでしたが、今はサポート役に徹し満足です。

           (終わり)

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