夢見るババアの雑談室

たまに読んだ本や観た映画やドラマの感想も入ります
ほぼ身辺雑記です

堂場瞬一著「砂の家」 (角川文庫)

2021-09-02 17:01:57 | 子供のこと身辺雑記

 

弟の正俊が4歳 浅野健人が10歳の時にー父親は健人の母親と妹を殺した

その手に包丁

工場経営が行き詰まり 借金がふくらみー

一家心中をはかったのだ

幼い弟も大怪我を負い入院

留守にしていた健人だけが無傷

健人は母親の身内に育てられる

 

正俊は施設に預けられることに

人殺しの子といじめられー負けずに生きてきた健人

世を拗ねて曲がって生きるようになった正俊

 

健人は真っ直ぐな気性を見込まれ 大手の食品会社の社長の竹内に目をかけられる

 

健人との結婚を願う恋人もいる

 

しかし父親が母親を殺したことから 自分には悪い血が流れている

家庭を持っていいのかーと

その父親が刑期を終えて出所したと 事件を手がけた弁護士から連絡が入る

 

父親に会うことは 頑なに拒む健人

 

同じ頃 健人に目をかけてくれる竹内に脅迫メールが届く

いわば恩人の為に事を解決しようと動く健人だが

 

息子に謝りたい 償いたいと会いにきた父親を追いかえした健人だが

 

いっそ事の解決の為に利用しようと・・・・・

 

脅迫事件には弟の正俊もからんでいた

 

悲劇は起きて

 

間違った選択をただし 生き直すことを考える健人

 

 

吉田大助氏の解説によれば 「砂の家」というタイトルは松本清張氏「砂の器」

これが元ネタとなった言葉ではないか

 

父と息子

脆く儚いものー砂

 

しかし崩れ去っても つくりなおすこともできる

 

主人公は全て失ったわけではない

あらゆる災厄が出て行ったパンドラの箱の底には

希望ものこされている

 

 

(コメント欄は閉じております ごめんなさい)