夢見るババアの雑談室

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ほぼ身辺雑記です

あさのあつこ著「おもみいたします」〈徳間文庫〉

2025-02-11 11:57:57 | 本と雑誌

 

 

 

その腕の良さもあり予約は一年先までも埋まっているという揉み療治をなりわいとするお梅

まだ少女のような姿

彼女は事情あって生家から姿を消した

自分の存在が父親を苦しめる

幼子の決断・・・・・

異界のモノに鍛えられた力

その類稀なる能力の為に お梅の視界は奪われざるを得なかったのか

視〈み〉えないぶんを補うように他の五感は研ぎすさまれて 

江戸の町で支えてくれる人もあり 盲目ながら自活できている

お梅の仕事を取り次いでくれるお筆

その仕事の時間的な割り振りや連絡もしてくれるお筆の孫娘のお昌

 

お梅が頼りにしている 見た目は大きな白い犬の十丸

見た目は天竺鼠の先生

 

自分を殺し 周囲がうまくいくように運ぶように堪えて生きている人もいる

心を抑え続けていると 体も壊れる

心と肉体はつながっているひとつのものだから

 

体をもむだけでは本当の治療にはならない

心も解〈ほど〉いてあげないと

 

物語の始まりに お吟という女が絞め殺されている

 

これが揉みを必要とする商家の妻のお清にどうつながっていくのか

お清の舅と姑も殺されて 犯人は捕まっていない

店を守るということ

商いを続けていくということ

そして人の道

本当に大切なものを見失わずに生きることは難しい

同じ日に死んだ赤ん坊

生きた赤ん坊と取り換えられて

 

死んだと思った自分の子供が生きていた

何故そんなことに

自分が産んだ赤ん坊

知りたかった一人の母親

 

律義者かつ忠義者と見えて いつか歪んでいった心の持ち主がいて

狂っていることに気づけないまま生きている

 

解説は俳優の田中美里さん

ご自身の経験を振り返りながら 書いておられます

追い込まれること ぎりぎりで生き続けるのは辛い しんどい

心がぎりぎり状態だと視野もせまくなるし どんどん生きにくくなっていきます

責任感が強い真面目な人間ほど 生きにくい世の中なのかもしれません

 

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