遊爺雑記帳

ブログを始めてはや○年。三日坊主にしては長続きしています。平和で美しい日本が滅びることがないことを願ってやみません。

常設仲裁裁判所 南シナ海でのフィリピンの訴えの審理開始 中国の管轄外との主張を否定

2015-10-31 23:44:25 | EEZ 全般
 オランダ・ハーグの常設仲裁裁判所(PCA)は29日、各国が領有権を争う南シナ海の島々をめぐりフィリピンが仲裁を求めている問題について審理を開始することを決定しました。中国側は、この問題はPCAの管轄外だとして、仲裁手続きを拒否していましたが、同裁判所が管轄権を有すると判断し中国側の主張を否定したものです。

 
常設仲裁裁判所が南シナ海問題に「管轄権ある」 と判断 中国は反発か - ライブドアニュース
 但し、フィリピンに対し、必ずしも同国に有利な判断が示されるとは限らないと強調しているのだそうですが...。
 

中国主張の欠陥鮮明 仲裁裁審理 「南シナ海」で国際圧力 (10/31 読売朝刊)

 【台北=向井ゆう子、北京=蒔田一彦】中国による南シナ海での領有権主張をめぐり、オランダ・ハーグの常設仲裁裁判所が29日、国際法に反するとのフィリピンの訴えについて審理開始を決めたことで、中国の主張の欠陥は一層鮮明となった。中国が強行する南シナ海の現状変更に対する国際的圧力は確実に高まっている


 同裁判所は、フィリピンによる15件の訴えのうち、7件について管轄権を認め、審理入りを決めた。この7件には、南シナ海・スプラトリー(南沙)諸島のスービ礁などが「低潮高地(暗礁)」であり、周辺を領海と主張するのは認められないとの訴えも含まれる。スービ礁の周辺では27日、米軍艦船が航行し、中国の領海主張を認めない意思を示したばかりだ。
 フィリピンの訴えについて
中国は「領土主権にかかわる問題」であり、仲裁裁判所に管轄権はないと主張。7月の口頭弁論にも出席しなかった。だが裁判所は今回、管轄権を明確にし、中国の主張は崩れた
形だ。
 フィリピンの訴訟団の幹部は30日、「紛争の平和的で公平な解決に向けた重要な一歩だ」と述べ、自信を見せた。
米国務省のカービー報道官も「あらゆる領有権争いは平和的かつ外交的に、国際的な法の仕組みを通じて解決されるよう望む」と述べ、歓迎の意向
を示した。
 一方、
中国の劉振民外務次官は30日、「仲裁を受け入れないし、(審理に)参加しない。背景には政治的陰謀がある」と強く反発した。中国はこれまで、造成中の人工島が「低潮高地」であるかどうかや、「九段線」の範囲や根拠について明言を避けてきた。今後、これらの論点について審理が行われる可能性も出てきた。国際法が専門の坂元茂樹・同志社大教授は「中国の歴史的権利の主張が認められる可能性はかなり狭まった
と言える」と指摘する。
 本格審理は年明けに始まり、来年中には結論が出る見通しだ。中国は欠席を続けるとみられ、中国抜きの審理が続けばフィリピンの主張が一方的に認められる可能性もある。同裁判所の結論を中国が受け入れるかどうかは不明だが、米国務省のカービー報道官は29日の記者会見で「(条約締結国の)フィリピンと中国の双方に法的拘束力を持つ」との見方を示した。結果次第ではベトナムなど領有権を争う他国から提訴されるリスクも抱えることになる。


 フィリピンが仲裁申請して久しく、どうなったのかと思っていたら、タイムリーな審理開始の報道でした。
 中国の人口島作成・軍事基地化に対する、遅すぎる米国の「航行の自由作戦」でしたが、ようやく実行され、建設工事と領海基点化へのけん制がなされました。しかし、中国側は、領海内の工事でありとやかく言われる筋合いはないと反論して、工事も領海・空の主張も継続していることは、諸兄がご承知のとおりです。

 武力で中止させるわけにはいきませんから、国際世論が一致して、国際法を守る様、促すしか道はありません。
 そこへ、タイムリーなPCAによる審査開始。それも、繰り返しになりますが、中国のPCAには管轄権ないとする主張を覆しての審査開始です。必ずしもフィリピンに有利な判断が示されるとは限らないと強調しているのだそうで、最近の国際機関の中国への汚染度合いから、一抹の不安は感じられますが、中国の主張が認められず、審査開始に漕ぎつけられたことには、フィリピンのご努力(影で米国も支援?)に敬意を表します。
 鄭和の大航海と九段線を関連付けて領海の主張をする説が散見されますが、国際法上認められるレベルのものとは言えません。
 
専門家:南中国海に公海は存在せず--人民網日本語版--人民日報

 国際法が専門の坂元茂樹・同志社大教授は「中国の歴史的権利の主張が認められる可能性はかなり狭まったと言える」と指摘されておられるとの由。
 これを機に、国際世論の高まりと、結集が進むことを願っています。
 


 # 冒頭の画像は、鄭和と航跡図




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