Casa Galarina

映画についてのあれこれを書き殴り。映画を見れば見るほど、見ていない映画が多いことに愕然とする。

山菜争奪戦の季節

2006-03-08 | 野菜作りと田舎の食
寒さの厳しいところに住んでいると、春が本当に待ち遠しい。テレビのアナウンサーの「春本番」なんて言葉がしらじらしく聞こえるほどの、春への渇望。昼間に太陽の日差しが出ていても、一歩外に踏み出せば頬に当たる風はひんやりと冷たい。見かけ倒しの春の日は案外長く続く。

ところが、ある日突然、「あっ、春だな」という日が現れる。冬と春のボーダーライン。くっきりと際立つその日に、ふと庭に目をやるとふきのとう。きっともっと前から顔を出していたんだろうけど、春の青さに目を向ける余裕がなかった。だけど、ボーダーラインを超えた日から、目はキョロキョロいろんなものを探し始める。ふきのとうが採れたから天ぷらで…なんて言うと思ったら、ところがどっこい。これからまだまだおいしい山菜が採れるんだから、あせらない、あせらない。

何だか「山菜採り」って、ある一定以上の年齢の方はものすごい執着心があるらしい。私の母もそのひとり。「庭でわらびが採れるよ」と言うと「いいな、いいな」の連発。そこまで羨ましがるようなことか、と首をひねるが。この時期は路肩に車を止めて、山っぺりでいそいそと何かを採集しておられる年配の夫婦なんかをよく見かける。車のナンバープレートを見てもきっと都会の人だろうと思われる。こんなところまで…という場所にも都会ナンバーの車は見かける。

地元の人が言うに、よそから来た人が「根こそぎ」山菜を採るからすっかり取れなくなった場所もあるとか。次の年も採ろうと思ったら、全部採らずに少し残しておくのが大事らしい。なるほど。釣った魚が小さかったらリリースするのと同じか。どうやら、各家には代々伝わる山菜採りの秘密の場所があって、よそ者には教えない、なんてまことしやかな噂まで(笑)。まっ、田舎の人はじぶんちの山を持っている人も多いからね。うちは親子3人なので、家の周りで採れる量で十分。それにしても、昔は全く興味なかったんだけど、あの苦味が旨いと思えるようになったってことは、私も年を取ったってことなのかな^^