Casa Galarina

映画についてのあれこれを書き殴り。映画を見れば見るほど、見ていない映画が多いことに愕然とする。

太陽を盗んだ男

2006-03-20 | 日本映画(た行)
★★★★★ 1979年/147分
監督/長谷川和彦 主演/沢田研二、菅原文太

「最高にかっこいい、ジュリー」

まず最初に言わせてください。この映画のジュリーは、むっちゃくちゃカッコイイです。あんまりみんなにいい、いいって言っているので、かなりしつこいんですけど、ブログも立ち上がったばかりということで、まあよしとしよう、と自分に言い訳。とにかくこれはハチャメチャな映画です。それはストーリーが破綻しているということではなくて、やりたい放題かましたぶっ飛びムービーとでもいいましょうか。よう、こんな映画作ったなあ、といいましょうか。まあ良くも悪くもエネルギーほとばしりまくってます。

中学校の物理教師の城戸誠(沢田研二)は、東海村の原子力発電所からプルトニウムを強奪し、自室での原爆製造に成功する。彼はそれを武器に、自ら“9番”と名乗り、政府に対してTVの野球中継の延長やローリング・ストーンズの来日公演、ついには5億円もの大金を要求するのだが…。

のっけから満員電車でつぶされたジュリーのアップ。皇居に行って天皇に会いたいと言うイカれたバスジャック登場、でもって、原子力発電所では、現代ではありえない超チープな銃撃シーン。どれもこれもまるで人を食ったかのような場面ばかり。思わずふきだしそうになるんだけど、映画の世界にぐいぐい引っ張られる。「そんなアホな」と突っ込んだら「ふざけんじゃねえよ。ちゃんと見ろよ!」と突っ込み返しが入る。そんな映画の勢いに圧倒される。

前半部では原爆を製造する工程の描写が秀逸。ジュリーの鬼気迫る表情、しかもボロアパートの一室がどっかの研究所みたいにどんどん改造されていく。原爆の製造が進むうちにたまらず学校でも「原爆の作り方」なんて授業をやっちゃう。完成した時にボブ・マーリーの曲に合わせて踊るシーンも最高にイカしてます。だけど、原爆ができあがった後に湧き上がる虚無感。一体それを何に使ったらいいのかわからない。「おい、お前は何がしたいんだ?」と原爆に向かって語りかける。で、結局要求するのは野球中継を最後まで放送しろ、さもないと東京に原爆を落とすぞ、ですからね。いやはや、面白い。これ、原作があるらしいんですけど、どこまでアレンジしているんでしょうね?

この映画はゲリラ撮影が多かったようで、皇居のシーンもそのひとつ。ちょっと今はできないんじゃないでしょうか。ってか、そんなことしたら公開できないんじゃないのかな。国会議事堂のトイレも、デパートの屋上から金をばらまくのも、ゲリラ撮影。とにかくスタッフのそういう、やったろう根性が全編にみなぎってます。カースタントのシーンもそうですが、この映画の稚拙なところってのは、数えだしたらきりがないです。もし、この映画をフィギュアスケートの採点方式で評価したら、マイナス点がどんどん加算されてメダルなんて遥か遠くでしょう(笑)それでも私はこの映画にメダルをあげますね。だって、「俺たち、絶対金メダルだよなっ」なんて威勢のいい声がほんと聞こえてきそうなんですもん。


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洗濯物を外に干せる喜び

2006-03-20 | 子育て&自然の生き物
日曜は雪。明けて本日月曜日はポカポカいい天気。洗濯物だって、外に干せる。家事の中で唯一、「洗濯物を干す」ことだけは好きなのだ(笑)。

このあたりは寒い上に湿度がものすごく高いので、うす曇りくらいじゃ洗濯物は全然乾かない。雪の降るような時期は、もちろん室内干し。ただ、うちは薪ストーブなので、よく乾いてくれるんだけども。それでも外で干すのは、なんか気持ちが違う。青い空にひらひらと洗濯物が揺れているのを見るのは楽しい。そうそうぐるぐる回る洗濯機の中を覗いているのも好きなんだな。なんでだろ。

ただ、とりこむ時に気をつけなきゃいけないのは「カメ虫」が洗濯物にひっついていること。冬眠から目覚めて、「あ~ここはポカポカしてんなあ~」なんて長袖シャツの、袖の中に入ったりしてるんだ、こいつら。知らずに取り込んで、たたんで、着た日にゃあ、「くっさあ~!」なんててことになりかねないのです。