Casa Galarina

映画についてのあれこれを書き殴り。映画を見れば見るほど、見ていない映画が多いことに愕然とする。

2001年宇宙の旅<美術編>

2006-06-05 | 外国映画(な行)
文句なし★★★★★ 1968年/アメリカ-イギリス/148分
監督/スタンリー・キューブリック 主演/ケア・デュリア、ゲイリー・ロックウッド

「この美しさを凌ぐ作品にはきっと出会えない」


とにかくこの作品は「美しい」のひと言につきます。あまりの美しさに劇中何度唸ったことか知れません。人類の夜明けから宇宙時代に場面が一足飛びに変わって、最初に出てくるインテリアは、真っ白な宇宙ステーションの廊下に配置された、真っ赤なソファ。ソファ以外のインテリアは何もありませんが、その存在感のすばらしいこと。本当に全てのものが究極的にシンプルで美しい。上の写真。これは宇宙船内部ですが、もうこの写真を見ただけでその完璧な美しさに私はクラクラしてしまいます。

そして宇宙船はもちろん、スチュワーデスの制服や帽子、コックピットの電子機器、果ては宇宙飛行士が背負っているリュックサックに至るまで、ありとあらゆるものの、全てのフォルムが美しい。全くと言っていいほど隙がありません。公開は1968年。あれから40年近く経とうとしていますが、およそ「デザイン」と呼ばれる全てものでこれ以上美しいものが出てきたであろうか?そんな風に思ってしまうほどです。



結局本当に美しいものは徹底的に機能的でシンプルなものなのだ、と改めて認識させられます。図らずも昨晩、NHK教育の「新日曜美術館」の丹下健三特集を見ていたのですが、彼も「機能的なものが美しいのではない。美しいものだけが機能的なのだ」と語っていたと言うエピソードが紹介されていました。

しかし、現在我々を取り巻く「デザイン」と呼ばれるものには、なんとゴテゴテとした余計なものばかりくっついていることか。私は個人的には、60年代のサイケデリック模様だとか、デコラティブなインテリアが大好きです。だけれども、この映画の美術は、そういう個人的な趣味は超越して、全ての人が美しいと唸ってしまう圧倒的な力を持っています。完璧な美へのこだわりが、映画にとてつもない緊張感をもたらし、それがHALの反乱と言う事態をより一層恐ろしく見せているようでもあります。

私は科学に関してちっとも詳しくないし、子どもが持っている星の図鑑やプラネタリウムで聞きかじった知識しかありません。それでもこの映画を観ていると、太陽系の惑星が描く軌道や土星の輪、月の満ち欠けなど、宇宙空間に存在する美しいフォルムが次々と脳裏をよぎります。映画のストーリーを追っているのだけれど、心は宇宙に飛んでいる、何だかそんな感じ。



個々の物の美しさがあまりにも徹底的であるから、全ての画面が絵画のように美しい。では、この作品は絵画的に楽しむものなのか、と言ったらそれは違います。確かに映像作家としてのキューブリックはすばらしいけれども、それ以上に映画がここまで我々に語りかけ、考えさせ、感じさせてくれるものなのだという驚きを与えられるからこそ、キューブリックは天才なのだと思います。(続く)


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エゴノキ

2006-06-05 | 四季の草花と樹木
ピンクのかわいらしい花が、みーんなうつむいて肩を寄せ合って咲いている。エゴノキの花。

下向きに咲いているから、写真が撮りにくい!というわけで、デジカメを上向きにさせて、木の下に適当に突っ込み、ファインダーもディスプレイも全く見えない状態でピントの合う音を頼りに何度もシャッターを切ってみた。(ふふ、森山大道さんがこうやって撮ってたのを思い出したのだ。笑)

普通エゴノキと言えば、白い花ですが、うちはピンクで、これは正確にはアカバナエゴノキという園芸種のようです。はい、今年の春に購入して植えました。花の咲いている時期が思ったよりも短いですね。写真撮らなきゃ、と思っているうちにすっかりもう終わり気味です(悲)。

横から見るとこんな感じ。

風が吹いてゆらゆらしていると、とてもキレイ。

ぽとぽとと花がたくさん木の周りに落ちています。

何となく桜のようにも見えますね~。今年植えたばかりなので、とにかく花が咲いてくれてひと安心。来年は、もっともっといっぱい咲かせてね~。



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