Casa Galarina

映画についてのあれこれを書き殴り。映画を見れば見るほど、見ていない映画が多いことに愕然とする。

SEX and the CITY Season1

2008-05-01 | TVドラマ(海外)
<vol.1>
「切り口は大胆だが、テーマは実に古典的 」

アメリカのドラマは見ないのです。
だってシーズンなんとかってすごく長く続いちゃうでしょ~。
だったら、その時間は映画に使いたい。
でも、これCSで何気に見始めたのですが、ちょっとハマりそうです。

まず、1話30分程度というコンパクトさがとてもいいですね。
主演のサラ・ジェシカ・パーカー は、どう見てもベット・ミドラーだろ!と
思ってたんですが、だんだんキュートに見えてきたから不思議です。

セックスが切り口ですけど、毎回取り上げていることは、
むしろ古典的とも言えるようなテーマじゃないでしょうか。
独身女性と既婚女性の対立、女を武器にすることへのためらい…。
1998年スタートということですが、10年経っても何も変わってないなあと思います。
NYで自立したオンナですから、仕事もバリバリする、自分の言いたいことも言う、
セックスの話もあけっぴろげにする。見た目はイケイケドンドン。
だけど、みんな「けなげ」ですよ。
この「けなげさ」が多くの女性の共感を呼ぶ所じゃないでしょうか。

何とかしていい男を見つけたい、何とかしていいセックスをしたい。
結局、その姿を通して見えるのは「いいオンナとして認められる」
といういかにも受け身な状況で、
キャリアウーマンとしての彼女たちのスタンスとは、大きなひずみを生んでいます。
そのひずみが時に滑稽で、時に悲しい。
しかし、カッコつけたり、スカしたりせずに、まともにぶつかっていく姿が実に爽快です。
コラムニスト、弁護士、会社社長、アートディーラー。
4人ともキャリアにおいては、何の申し分もない。
しかし、ひとたびセックスという視点で見れば、
それらのキャリアも帳消しになるようなおバカっぷりの数々。
デキるオンナもセックスでは悩んでいる。その気取りのなさが私はとても面白いと思いました。

<vol.2>
「私たちとあまり変わらない」

ますますセックスライフは奔放な描写が続くけど、根底に流れているのは「独身女性の生き難さ」。NYのキャリアウーマンなんて、さぞかし独身生活をエンジョイしているんだろうと、日本人の私なんぞ思うのだけど、正直こんなにプレッシャー感じてるんだ、と意外なほど。

少し話は反れるかも知れないけど、アメリカ人男性の長所として「レディ・ファースト」って言うのがあるでしょ?あれはね、私は本当に女性を敬っているからしている行為じゃないのでは?と個人的に思ってるんです。つまり、俺はこんなに女性を大切にしているんだという男の度量をみんなにアピールしたいと言うのが本当の動機で、引いては「こんなに大切に扱っているんだから、俺の言うことは聞け」というパートナーへの一種の脅迫行為ではないのか、とすら感じてるんですよね。このドラマを見ていても、結局男の気を止めるために女たちは一生懸命で、男の方から歩み寄ろうと言う気配は微塵もないのね。それって、「レディ・ファースト」の精神とはずいぶんかけ離れてるよなあ、なんて。

例えば「3Pはアリか?」という衝撃的な話題にしたって、日本人女性からしたら、セックスに他者を介入させるなんてとんでもない!と思うかも知れないけど、逆に私たちが「彼に逃げられるのは嫌だから浮気を知っても問い詰めない」というのと根っこの部分は変わらないように思う。とどのつまり、彼との関係を何とかキープしたいとしがみついているわけ。3Pを受け入れようというのも、浮気を見て見ぬフリしようというのも、その時点でもう関係は壊れているのに。男たちは自分のしたいように振る舞い、その周りで右往左往している彼女たち。特に主人公のキャリーは振り回されっぱなし。あんまり私たちと変わらないなあと思うのです。そんな中、ミランダは比較的、自分のやり方を通そうと悪戦苦闘してるキャラクター。今のところ、私はミランダが一番好きかな。そして、このドラマの面白いところは、共感できるキャラクターに加え、彼女たちが送るニューヨークライフが生き生きと描かれていること。夜毎のクラビングにおしゃれなパーティ、大富豪との思わぬ邂逅。「共感」と「憧れ」がとてもうまくミックスされてる。なんでビッグなんて男に言いくるめられてるんだよ、キャリー。あんな奴、とっとと忘れちまえばいいのにねえ。