Casa Galarina

映画についてのあれこれを書き殴り。映画を見れば見るほど、見ていない映画が多いことに愕然とする。

パッチギ!LOVE&PEACE

2008-05-07 | 日本映画(は行)
★★★☆ 2007年/日本 監督/井筒和幸
「主張は強いけど、元気がない」


いつものパワーがない。元気の良さ、ノリの良さがないのよ。最初のケンカのシーンが面白かっただけに余計に終盤まで中だるみな感じなの。主演の2人からも、何があっても生きてやる!ってエネルギーをあまり感じられなかった。きっと、それは井筒監督がそういう演出にしてないからだと思う。今作、監督の主張がいっぱい入ってるので、元気の良さを敢えて封印してしまったんだろうか。それから、主演の中村ゆりは下手ではないけれど、あまりにもピュアピュアなキャラクターで、私は引いてしまった。キョンジャってもっと芯の強いオンナではなかったかしら。子供が病気になってしまう、という状況も手伝って、非常に湿度の高い映画となってしまった。内容は、じめっとしていても、カラッとした演出でパワフルに見せる、それが井筒作品だと思ってたのに。

そして、気になったのが、各シークエンスが短くて、場面転換がせわしないこと。そのくせ、キョンジャと野村が居酒屋で飲むシーンとか、アンソンが佐藤と民宿でゴロゴロしてるシーンなど無駄なシーンが多い。主張の強さをそのせわしないカット割りでごまかされているような気がしてしまう。シーン数減らして、もっとじっくりカメラ回せばいいのに。で、最後にはは殴り合わんとあかんのでしょうか、井筒さん。そこが、どうにもこうにも、しこりのように胸に残りました。ラストの舞台挨拶の後の乱闘シーン。やっぱり、そうなるんかって、寂しかった。そう感じる私は甘いんやろか。