Casa Galarina

映画についてのあれこれを書き殴り。映画を見れば見るほど、見ていない映画が多いことに愕然とする。

ダイ・ハード4.0

2008-11-01 | 外国映画(た行)
★★★ 2007年/アメリカ 監督/レン・ワイズマン
「三尺玉あげっぱなし」


最初から最後まで、銃撃、爆撃のオンパレード。観客をびっくりさせればそれでいいだろうって作品に感じられてダメでした。もちろん、エンターテイメント大作を否定するつもりは全くありません。ビルがドッカーンと爆破したり、ヘリコプターがくるくると回って墜落したり、それを見ることで非日常的な興奮を味わえるのも映画の醍醐味の一つだと思います。ただ、冒頭街の機能が麻痺する様が描かれますが、一体何人の死者が出ていることでしょう。なのに、「恐怖」については、何も描かれていません。あらゆる破壊は、マクレーン刑事が体を張って何とかするためのエサでしかなく、そういった物語の進め方は、全く私は好きになれないのでした。

サイバーテロ組織が小粒に見えるという感想がありますが、それは俳優の力量は小さい原因で、やはりのべつまくなしにドッカンドッカンやっていれば、敵味方の対立軸が薄まっても仕方ないとしか言いようがありません。シリーズが進むにつれて、製作者側が「前作よりもスゲーのを観客は期待しているんだ」と目くじら立てて、一切合切作品に放り込んでしまった、そんなあせりすら感じられます。そういう点では、むしろ昔とさほど変わらない語り口でいつも通りに仕上げた「インディ・ジョーンズ」の新作の方に潔さを感じます。マクレーンの娘との確執も、オタク野郎との相棒劇も、全ては爆撃音にかき消されてしまいました。