Casa Galarina

映画についてのあれこれを書き殴り。映画を見れば見るほど、見ていない映画が多いことに愕然とする。

チーム・バチスタの栄光

2010-03-05 | 日本映画(た行)
★★★☆ 2008年/日本 監督/中村義洋

「配役がイマイチ」

蒼々たる豪華メンバーでベストセラー小説の映画化というわりには、演出が大変地味でそこは気に入りました。「アヒルと鴨のコインロッカー」のような小規模作品と全く同じスタンスで撮ってますよね。「アヒル」の場合は、小品のスカした感じが気に入りませんでしたけど、こっちは大作なもんで、そのギャップが妙味になってます。

しかし、演出的な味わいだけで2時間楽しめるかと言うと、話がサスペンスだけに厳しい。竹内結子が嫌いなことをさっ引いても、なぜ若い女医がこれだけの大事件の捜査を任されるのか、リアリティに乏しいです。脚本上は、仕方なく巻き込まれたような形で観客を説得させていますが、きっかけさえ辻褄が合えばいいというものでもないでしょう。事務所の力と話題性によるやむなき変更だったとしても、この事件を通じて女医田口に何を込めたかったのかサッパリわからない。いや、込めるも何も、竹内さんだし自由に任せていれば、いい感じに演じてくれるでしょう、なんてことだったりして。総じて意味深な國村準とか、いかにもな真犯人役の俳優とか、どうも配役がピンと来なかった。唯一、吉川晃司だけが印象的でした。何を考えているのかわからないムードが、この演出にとても合っていたと思います。