Casa Galarina

映画についてのあれこれを書き殴り。映画を見れば見るほど、見ていない映画が多いことに愕然とする。

おとなのけんか

2013-02-24 | 外国映画(あ行)
★★★★ 2011年/アメリカ 監督/ロマン・ポランスキー


「他人のケンカ」


(映画館にて鑑賞)

映画館で見たにも関わらず、wowowで放送していたのをまた見てしまいました。
ホント、他人のケンカを見てるのっておもしろいわあ。
特にジョディ・フォスターがキレまくるのを見て、ニヤニヤしてしまう私。
他人には触れられたくない心の奥底にあるものをツンと付かれて、つい本性が剥き出しになってしまう。
その様子を見ているのが実に面白い。
いい年した大人が口角泡飛ばして言い合いするなんてみっともない、と思っている方はこの映画はまず面白くないでしょう。
気分が悪くなるだけです。
私なんか、ケンカは酒のつまみにもなる、と思うタイプですからね。
友人と彼氏が目の前でケンカを始めると、仲介に入るどころか、もっとやれやれ~!とはやし立てたりして。
だいぶ人間がねじ曲がっているんだろうか?(笑)

それに、子どものケンカは実体験があるので、序盤から「あるある」の連続。
うちの場合、息子が滑り台から突き飛ばされて頬を縫うなんてことがありました。
そこに双方の親の意見とか持ち出すと実にややこしい事態になるというのは肌で知っている。
そういう経験のある親御さんは多いと思う。
そこで浮き彫りになる男親と女親の子育て感の違い!
最初はそれが論点ではないはずなのに、嗚呼!いつのまにやら夫婦喧嘩。あるよねー。

この喧嘩のキモと言えるのは、双方が大げんかしてメチャクチャになった後、
ジョディ・フォスターがポロリとこぼした「寛容な心で迎えようと努力したのに」という言葉に集約されていると思う。
「寛容でありたい」というのは、もちろん素晴らしい心がけです。
でも、そのために隠された本意、押し込めた感情っていうのは、些細なことで表に現れてしまうってこと。
他にも、正義感の違いとか職業差別とか、あらゆるいざこざがてんこ盛り。
でも、当の子どもたちは…というエンディングのオチも巧い。
人間の心の狭さとか、ひがみ根性をここまで次から次へとテンポ良く見せられると笑うしかありません。
ある意味、そこにポランスキー監督の懐の深さを感じてしまう。
私はスカッとしました。ストレス発散。一度これくらい毒を吐いてみたいもんです。