Casa Galarina

映画についてのあれこれを書き殴り。映画を見れば見るほど、見ていない映画が多いことに愕然とする。

私が、生きる肌

2013-02-27 | 外国映画(や・ら・わ行)
★★★★☆ 2012年/スペイン 監督/ペドロ・アルモドヴァル
(DVDにて鑑賞)


「久しぶりにアルモドヴァル節全開!」

いやはやすっごいトンデモ話で、非常に面白かったです。
ここのところ、「ボルヴェール」など比較的真っ当なストーリーが多かったアルモドヴァルですが、
久しぶりに奇天烈な映像と物語が交錯して、アルモドヴァルワールドここにあり!という感じ。

全身タイツの謎のオンナが、なぜ監禁されているのかというサスペンスなのですが、
物語の途中からそれ以外にもこの女性は何者なのか?という推理を余儀なくされます。
それが、まさか!あの人だったとは!どうしたら、こういうとんでもないストーリーが思いつくのでしょうか。
アルモドバルの頭の中身を見てみたい。

屋敷に侵入したトラの着ぐるみを来た男が女の部屋を探し回るシーンなんて
ヒッチコックばりにかっこいいんですけれども、
演出のカッコ良さに対して、しっぽがブリブリしてヒゲメイクまでしている着ぐるみ男というギャップ感。
これがたまりません。

倒錯したエロチシズムと奇天烈なストーリー展開、しかしながらカメラワークや演出は一級品。
誰にも真似できないアルモドヴァルの作風が凝縮された1本ですね。