Casa Galarina

映画についてのあれこれを書き殴り。映画を見れば見るほど、見ていない映画が多いことに愕然とする。

二重生活

2020-05-24 | 外国映画(な行)
★★★★ 2012年/中国・フランス 監督/ロウ・イエ

豪雨のひき逃げ事件。そして武漢の街を俯瞰で映すカメラ。一気に引き込むプロローグ。不倫ものだがベタな演出は皆無。男と妻と愛人。三者の問題に留めず、男の不実を発端に中国社会が抱える問題を浮かび上がらせる。タイトルから想像する単なる愛憎劇と思うなかれ。

顔のクロースアップが多用され、人物の感情に肉薄するも、誰もその真意が見えない。そこが殺人事件ともあいまって、ミステリアスなムードを全編に漂わせる。そして殺人犯に関する意外な顛末。ラストもロングショット。街は重苦しい何かを心に抱える人を呑み込んでいく。