うざね博士のブログ

緑の仕事を営むかたわら、赤裸々、かつ言いたい放題のうざね博士の日記。ユニークなH・Pも開設。

シダレザクラの移植をおこなう。

2020年08月17日 06時52分55秒 | ガーデニング・庭づくり
入梅直前にシダレザクラの移植をおこなった。個人の庭から近くの地区公園に持っていく。大きくなり手に余ったサクラは植えて5年目、わたしの推定では品種名は 八重紅しだれ桜 と思う。この品種は都内の小石川後楽園に大木があり、関東ではポピュラーなサクラだ。ちなみに、当地の今年の入梅6月11日、梅雨明けは8月 1日である。
 わが住宅地は30年前に開発されて、1戸あたり50坪前後の400戸余りの分譲地であり、施設管理組合は市とは独立してインフラ面では雨水・汚水の排水設備、防犯灯などを管理し、共聴アンテナを廃し市民ケーブテレビに加入している。
 本来、落葉樹であるサクラは休眠し葉のない秋から早春までが植栽適期であり、樹木に対しての外科治療行為ともいえる移植作業の時期もそれに重なる。顔なじみの前自治会世話役から声がかかった時点では 「時期が遅すぎる、どうしてもということであれば入梅前がいい。」 と答えて急にその週の土曜日におこなうことになった。移植工法としては、今回は老木や貴重な樹木におこなう 『根廻し移植』 ではなく、リスクのある 『直接移植』 である。

 移植作業は6月7日の午前中で2時間ほどだ。造園施工業者を頼まない、言わばボランティアのみだ。資材は皆さんが持ち出しであり、また、その代用品を用意する。参加の顔ぶれは近所の人たちとかつてのガーデニング教室の面々、10人弱だが、皆さんは草花、園芸好きとはいえこんな樹木の移植作業は初めてと思われる方々だ。わたしの役割は作業の段取りを考えて順番に指示を出す。能書きは後まわし、言葉数を少なく、冗談を交え、作業時は活き活きと動く。次の作業を口頭で言い、少し進んだらその内容や意味を持参のホワイトボードに図と文字で書いて説明していく。わたし自身はできるだけ手出しを抑え気味にしていくがなかなかそうもいかない。口幅ったい言い方だが素人は作業の意味が知らないから自然と荒っぽくなるし、剪定ばさみや鋸やスコップなどの道具の使い方が危なっかしい。重要な細根の発根を促す切断部の根の切り戻しはわたしが直接おこなう。

 移植前と移植作業の画像は撮り損ねたので下段に文章でまとめる。

シダレザクラの形状寸法:樹高2.3m 根元周45cm 枝張り1.6m
≪作業のポイント≫
掘り取り
 ブルーシートで揚巻 根鉢の大きさ 直根と側根 土付きの根鉢 切断根の切戻し(切口調整)  枝抜きと葉むしり
運搬
 人力積込、下し+軽トラ
植え付け
 植穴掘り 培養土の封入(25ℓ× 2袋) 立込みと埋戻し 水極め(植穴内で培養土と根鉢の根を密着させる⇒大量の水で土中から空気の泡が出なくなるまで注水する。) 簡易丸太三脚支柱  水輪の製作  幹焼け防止の幹巻きをしない 残存枝葉量の調整

 以下に、その後のシダレザクラの経過を時系列の画像でたどっていく。定期的に活着状況ー樹形全体、枝葉の枯れ下がりや葉振るい、水揚げや残存枝葉に新芽の伸長を確認する。

           

           
6月12日 移植から5日目、樹木の全景は移植直後と変わらず、いい兆候だ。6/11の梅雨入りのせいもある。

           
6月20日 13日目、上から下まで全体的に樹木自体が葉を振るう、生理的にいい現象だ。今後、多雨が見込まれることから水輪の土手を一部分を崩す。また、ややもすれば根腐れを起こしかねないので、近所の方々に水やり禁止をお願いする。

           
7月7日 移植してからほぼ一ヶ月、 再萌芽 や 胴吹き を数カ所の枝に確認する。多分、土中内では新根も伸びていると推測。わたしは、この段階で活着の可能性を確信する。

           
7月13日

           

           

           
8月14日 移植以来、67日目になる。8/1の梅雨明け。同日、水輪を元通りに補修する。根元には  ひこばえ もあり、新芽が主要な枝に出ていて、不要になった先端近くの枝が枯れ始めている。以後の多少の樹形のくずれはやむを得ない。あとは主幹の誘引・仕立てや剪定次第だ。これから9月の長雨をむかえれば、もう大丈夫だろう。
コメント
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