『あなたなしでは生きていけない』
貧しい港湾労働者のウーションは娘のメイとふたり暮らし。7歳になったメイを学校にやりたくて戸籍に登録しようとするのだが、蒸発した母親と正式に結婚していなかった彼には親権がない。当惑したウーションは、同窓生の議員を頼って台北まで出かけていくが・・・。
先週開催された台北電影節でグランプリ・最優秀主演男優賞・最優秀助演男優賞・媒体推薦賞の四冠を獲得した傑作。監督は俳優としても有名な戴立忍(レオン・ダイ)。
すばらしー。すごいよかったです。
2003年に実際に起きた事件を基にしてるそーですが。なんかあんまりそーゆー感じはしないです。すごくシンプルで、淡々としてて。
トーンは侯孝賢(ホウ・シャオシェン)そっくりですね。出演者も素人だし、主役がほとんど喋らないところも似てる。北野映画にもちょっと近いかな。
とくにぐりがいいなと思ったのは主人公父娘の独特の関係。無口でただただ働く以外に能のないウーションは少年のようだし(でも40代)、一生懸命に父を支えるメイには子どもらしさがまったくなく、異様に大人びて見える。ときどきふたりが父娘というより恋人同士のように見えたり、共犯者のように見えたり(『レオン』のジャン・レノとナタリー・ポートマンみたいな)、母と息子のように見えたりもする。互いに依存しあっているふたりだが、画面に甘さはない。どこか必死な緊迫感さえ漂う。微妙にセクシュアルにさえ感じられる。
なので父と娘の感動ストーリーなのに安易なセンチメンタリズムには決して流れず、どこかビターなハードボイルドのような映画に仕上がっている。だからこそ、たった一度流される涙が強烈に効く。ハイセンスです。
ひとつ残念だったのは音楽がチープだったこと。
これはこの作品に限らず昨今の台湾映画全般にいえることなのだが、もしかして台湾にはきちんとしたスコアが書ける映画音楽作家はいないのだろーか?ちょっといいなと思えば香港や日本のアーティストだったり、映画自体はすごくよくても音楽が全部打ち込み系の、ありきたりで非印象的な環境音楽っぽいのだったりすると手抜きみたいです。せっかくのいい話がもったいなさすぎる。
映画としての完成度は非常に高いし、監督も日本でも知られた人なので、これは是非とも一般公開してほしい。このまま誰にも観られないなんてもったいなさすぎです。
貧しい港湾労働者のウーションは娘のメイとふたり暮らし。7歳になったメイを学校にやりたくて戸籍に登録しようとするのだが、蒸発した母親と正式に結婚していなかった彼には親権がない。当惑したウーションは、同窓生の議員を頼って台北まで出かけていくが・・・。
先週開催された台北電影節でグランプリ・最優秀主演男優賞・最優秀助演男優賞・媒体推薦賞の四冠を獲得した傑作。監督は俳優としても有名な戴立忍(レオン・ダイ)。
すばらしー。すごいよかったです。
2003年に実際に起きた事件を基にしてるそーですが。なんかあんまりそーゆー感じはしないです。すごくシンプルで、淡々としてて。
トーンは侯孝賢(ホウ・シャオシェン)そっくりですね。出演者も素人だし、主役がほとんど喋らないところも似てる。北野映画にもちょっと近いかな。
とくにぐりがいいなと思ったのは主人公父娘の独特の関係。無口でただただ働く以外に能のないウーションは少年のようだし(でも40代)、一生懸命に父を支えるメイには子どもらしさがまったくなく、異様に大人びて見える。ときどきふたりが父娘というより恋人同士のように見えたり、共犯者のように見えたり(『レオン』のジャン・レノとナタリー・ポートマンみたいな)、母と息子のように見えたりもする。互いに依存しあっているふたりだが、画面に甘さはない。どこか必死な緊迫感さえ漂う。微妙にセクシュアルにさえ感じられる。
なので父と娘の感動ストーリーなのに安易なセンチメンタリズムには決して流れず、どこかビターなハードボイルドのような映画に仕上がっている。だからこそ、たった一度流される涙が強烈に効く。ハイセンスです。
ひとつ残念だったのは音楽がチープだったこと。
これはこの作品に限らず昨今の台湾映画全般にいえることなのだが、もしかして台湾にはきちんとしたスコアが書ける映画音楽作家はいないのだろーか?ちょっといいなと思えば香港や日本のアーティストだったり、映画自体はすごくよくても音楽が全部打ち込み系の、ありきたりで非印象的な環境音楽っぽいのだったりすると手抜きみたいです。せっかくのいい話がもったいなさすぎる。
映画としての完成度は非常に高いし、監督も日本でも知られた人なので、これは是非とも一般公開してほしい。このまま誰にも観られないなんてもったいなさすぎです。