『乙女シリーズ その一 花物語 福壽草』
人気作家だった吉屋信子の短編小説を映像化した1935年制作のサイレント映画。
兄のもとに嫁いできた義姉・美代子に淡い恋心を抱く女学生の薫。美代子も薫を妹としてかわいがってくれるのだが、投資に失敗した兄の窮状を助けるために内職仕事に精を出し過ぎて胸を病んでしまう。祖父も亡くなり、一家は再出発のため満州に移住することになるのだが・・・。
ここまで古い日本映画を今までほとんど観たことがなくて、それは新鮮だったんですが。
今回の上映には片岡一郎の活弁と柳下美恵の即興演奏がついてまして、それも新鮮ではあったんだけど。やっぱいちばん台詞がほしいとこで沈黙になっちゃったりするとツライもんがありー。
あとやっぱ物語が女の子向けの流行小説(現代でいうと少女マンガみたいな)原作だからかやたらめったら耽美調で、しかもおそらく監督自身このストーリーをちゃんと消化できてないっぽい感じ。こないに書いてあるから、そのまま撮ったらそれでええやろー?的な仕事に見えてしまう。
ただ細部には観ていておもしろいところはいろいろあり。
たとえば女学校の制服がツーピースに大きなリボンタイのついたものすごい少女趣味なデザインだったりするのは、後世につくられた時代ものの映像作品には観られないセンスだと思う。戦前=地味みたいな固定概念があるからね。まあ田舎の女学校で実際あんなの着てたかどーかは謎ですけど、観客ウケ狙いだとしてもこういう制服があのころの若い女性に好まれてたんだなってことはわかる。今観ると山村の田園風景とおそろしーくらいミスマッチですけどねー。
それから、村役場に勤める兄ののんべんだらりとした生活ぶりと、家財を失って「じゃあ満州に」なんて展開にも時代を感じる。日本人は昔から勤勉で真面目だとはよくいうけど、日本人だからっていつでも誰でもそうとは限らないのが当り前。当り前だけど、このテキトーとゆーかお気楽な発想は現代からはちょっと想像つかないです。今の映画でこーゆーことやったら、いろんな人にめちゃくちゃ叱られそう。
あと美代子を演じた久松美津枝の美貌にはぐりもビックリ。
今までぜんぜん知らない女優さんだったけど、調べてみたら1933〜41年の8年間しか女優活動はしてないけど、それでも77本もの映画に出てるってことはそれなりに人気があったのかな?とにかくチョー美しい人でした。たおやかというか可憐というか。日本髪と着物がとっても似合ってて。
だから、いちいちなにかっちゅーと「お姉様!」なんて義姉に熱狂する薫の異様な恍惚感はなんとなくわかる。あんなにキレイな人が家にいたら困っちゃうよー。ってくらい、キレイでしたん。
人気作家だった吉屋信子の短編小説を映像化した1935年制作のサイレント映画。
兄のもとに嫁いできた義姉・美代子に淡い恋心を抱く女学生の薫。美代子も薫を妹としてかわいがってくれるのだが、投資に失敗した兄の窮状を助けるために内職仕事に精を出し過ぎて胸を病んでしまう。祖父も亡くなり、一家は再出発のため満州に移住することになるのだが・・・。
ここまで古い日本映画を今までほとんど観たことがなくて、それは新鮮だったんですが。
今回の上映には片岡一郎の活弁と柳下美恵の即興演奏がついてまして、それも新鮮ではあったんだけど。やっぱいちばん台詞がほしいとこで沈黙になっちゃったりするとツライもんがありー。
あとやっぱ物語が女の子向けの流行小説(現代でいうと少女マンガみたいな)原作だからかやたらめったら耽美調で、しかもおそらく監督自身このストーリーをちゃんと消化できてないっぽい感じ。こないに書いてあるから、そのまま撮ったらそれでええやろー?的な仕事に見えてしまう。
ただ細部には観ていておもしろいところはいろいろあり。
たとえば女学校の制服がツーピースに大きなリボンタイのついたものすごい少女趣味なデザインだったりするのは、後世につくられた時代ものの映像作品には観られないセンスだと思う。戦前=地味みたいな固定概念があるからね。まあ田舎の女学校で実際あんなの着てたかどーかは謎ですけど、観客ウケ狙いだとしてもこういう制服があのころの若い女性に好まれてたんだなってことはわかる。今観ると山村の田園風景とおそろしーくらいミスマッチですけどねー。
それから、村役場に勤める兄ののんべんだらりとした生活ぶりと、家財を失って「じゃあ満州に」なんて展開にも時代を感じる。日本人は昔から勤勉で真面目だとはよくいうけど、日本人だからっていつでも誰でもそうとは限らないのが当り前。当り前だけど、このテキトーとゆーかお気楽な発想は現代からはちょっと想像つかないです。今の映画でこーゆーことやったら、いろんな人にめちゃくちゃ叱られそう。
あと美代子を演じた久松美津枝の美貌にはぐりもビックリ。
今までぜんぜん知らない女優さんだったけど、調べてみたら1933〜41年の8年間しか女優活動はしてないけど、それでも77本もの映画に出てるってことはそれなりに人気があったのかな?とにかくチョー美しい人でした。たおやかというか可憐というか。日本髪と着物がとっても似合ってて。
だから、いちいちなにかっちゅーと「お姉様!」なんて義姉に熱狂する薫の異様な恍惚感はなんとなくわかる。あんなにキレイな人が家にいたら困っちゃうよー。ってくらい、キレイでしたん。